2007年/日本 (監)森田芳光
(演)織田裕二 豊川悦史 松山ケンイチ 佐々木蔵之介 中村玉緒 風間杜夫 西岡徳馬 小林稔侍 藤田まこと
☆☆☆★★★
一番好きな日本映画を1本あげろと言われたら、私は迷わず黒澤明の「椿三十郎」と答える位大好きなこの作品を織田裕二主演でリメークとの噂を聞いたときには失笑したものでした。ただし監督が森田芳光なので、案外良く出来てるかも・・と思って楽しみにしていたこの作品。やっぱり、まずまずの出来栄えでした〜。
しかし、この作品もかなりずるいところのある映画だと思った。オリジナル脚本(黒澤明・小國英雄・菊島隆三)をそのまま使用しているので、よく考えてみたらよっぽどの事がない限り失敗作になるワケないのよね。
とは言え、今回はカラーで撮影をしているし(CG撮影は一切なし。えらい!)、役者も大幅に変わるワケだから、今時のお子様向け娯楽映画になってしまう危険性も大いにある。しかし、確かにライトではあるけれど、原作の面白さを十分に生かしきれていた事にまず感激。むしろこのライトな感じが今の時代にはあっていると言えるとも思う。その点、織田裕二はかなりがんばっていたと思いました。伊織(オリジナルでは加山雄三)を演じた松山ケンイチ君のコミカルな演技も良かったし、ライバルの室戸半兵衛(オリジナル・仲代達矢)を演じたトヨエツはもちろん問題なし。
ただ意外にも中村玉緒がいまいちだった・・。バラエティのやり過ぎで、時代劇の呼吸を忘れたのか,上品な奥様役が向かなかったのか、何だかセリフまわしが気になりました。
押し入れ侍の木村(オリジナル・小林桂樹)は佐々木蔵之介。この役は「椿三十郎」キャラクター人気投票をすると三十郎に続いて人気があるそうです。
若侍達(チーム・マツヤマです。)
三十郎と半兵衛
文句をつけるのを楽しみにしていたのですが、結局満足して帰宅いたしました。若い人が黒澤作品を見る良いきっかけにもなるな・・と道すがら思ったのでした。

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