お休みの日、江戸東京博物館で開催していた「北斎」の展覧会に行って来ました。
少し前に国立博物館でやっていた「北斎展」にいきそびれていたので、楽しみに出かけていきました。
葛飾北斎は(1760〜1849)については、いまさら説明する程のない有名な絵師ですが、富獄三十六景等の有名な浮世絵は、ほとんどが70歳を過ぎてからの晩年の作品群。若い頃から壮年にかけての、人生の大半は、物語の挿絵や、「北斎漫画」で有名な絵本、絵手本の類等の肉筆画で占められている。
今回の展覧会では、浮世絵以外の彼の仕事をメインにしながら、北斎の業績を振り返ると言った志向の催しでした。北斎は90歳近くまで生きていた上に、作品数が膨大で、今回の展示作品も
かなりの数でした。
第一部では、来日したシーボルトが北斎の工房へ依頼した、日本の風俗画の展示。これらはオランダ国立民俗学博物館や、フランス国立図書館の所蔵品で、今回が初の里帰りだそうです。季節の行事や、働く人々の描写、花魁や侍の姿など、とても興味深いものがあります。江戸時代の人達の生き生きと生活する様が、身近に伝わってきます。
第二部では、ヨーロッパの芸術家達を魅了してやまなかった北斎の多彩な芸術の紹介。ここで富獄三十六景、北斎漫画等の有名作品と、最晩年の肉筆画、屏風絵掛け軸の絵等が見れました。
とにかく一言で感想を言うなら、「天才!」としか言いようがないです。着想の意外さ、構図の見事さ、色合いの美しさ、ディテールの楽しさ、ユーモア感覚、西洋画の技法を取り入れた斬新さ等、幾つでも感心できます。(笑)浮世絵は、日本が誇る芸術であり、北斎は世界に誇れる天才であるな・・としみじみ感じました。
実は、最終日(日曜)に行ったせいもあり、会場は超満員でした。作品がそれほど大きくない事もあり、ほとんど遠巻きに見る状態で、フラストレーションたまりっぱなし。浮世絵作品のそばでは、若い男の子が「これって永谷園って感じ?」なんて言ってるのを耳にし「それは広重だろうが!」と、イラっとしたりもしました。(笑)混雑が大嫌いなので、ついついイラついたりして、反省する事しきりでした〜。
てなワケで、滅多にカタログは買わないのですが、家でゆっくりディテールを楽しもうとばかりに大枚3000円近く払ってカタログを購入。紹介したい絵が満載なのですが、無断転載禁止なので、興味のある方は是非、画集なり購入なさって見て下さいね。

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