巨大なボールの表面を這いまわるだけのアリにはわからず、飛べるハエにはわかる事とは何か?
それは自分の足元にあるのが、穴の開いたドーナツではなくボールである、ということだ。私達の住む3次元空間は、実は4次元空間物体の表面である。4次元に出て行けない私達には世界の曲面がドーナツ面なのか、球体なのか絶対にわからないだろうか?
いや大丈夫。宇宙に大きくロープで輪を描いて一周させてから、そのロープをたぐり寄せてみればわかる。途中でひっかかればドーナツ、全部手繰り寄せられたら球体だ。簡単に言うとポアンカレ予想とはこういう内容らしいです。
「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」
1904年にフランスの数学者アンリ・ポアンカレによって提示されたこの超難問予想は、以降100年にわたって未解決のままでしたが、2003年ロシア人数学者グレゴリー・ペルマンによって証明された。この功績により彼はフィールズ賞を受賞したものの、それを拒否し失踪してしまったニュースは当時話題になりました。
で、一般向けのポアンカレ予想関連の洋書2冊をご紹介します。
"The Poincare Conjecture"
Donald O'shea 著作 Walker & Company 刊 US$15.95 Paper ISBN 0-8027-1654-7
ポアンカレ予想解決までの数学読み物。賞金100万ドルを棒に振ってベルマンはどこへ消えたのか?日経BP社より「ポアンカレ予想を解いた数学者」のタイトルで翻訳本あり。
"Poincare's Prize"
George G.Szpiro 著 Dutton 刊 US$24.95 Hard ISBN 0-525-95024-9
上記のアリとハエの話はこの本の解説から引用しました。この難問に挑み続けた数学者達のエピソードと現代数学の発展史。早川書房より「ポアンカレ予想 世紀のなぞを掛けた数学者。解き明かした数学者」のタイトルで翻訳本あり。
数学はさっぱりなのに、この手の本が大好きな私。上記2冊も売上好調です。私も"Poincare Conjecture"の方を読んでみるつもりです。もちろん訳本で。(汗)

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