1961年/日本 (監)黒澤明
(演)三船敏郎 仲代達矢 山田五十鈴 加藤大介 東野英治郎 志村喬 司葉子
☆☆☆☆
映画「ボディガード」の中で主人公のケビン・コスナーが、何十回も見た作品だと言って、ホイットニーを連れていった映画はこの「用心棒」だった。画面に流れるのは、三十郎の一番最初の殺陣シーン。もの凄い迫力。やはり、三十郎は三船敏郎なればこそなのだ。決して織田裕二ではない。(当たり前だけど 笑)
ヤクザの2大勢力が縄張り争いに明け暮れる小さな宿場町。そこに流れ着いた凄腕の浪人、桑畑三十郎は用心棒として雇われる振りをして、双方のヤクザを同士打ちさせようと画策する・・。
お話は単純でありながら、脚本は見事なまでに練られていて、気を抜く場所はまったくない。
この作品がマカロニ・ウェスタンの「荒野の用心棒」としてリメイクされたのは当然の流れだと思った。なぜならこの作品が西部劇の時代劇バージョンだからなんですよね。テーマ曲の流れるオープニングシーン、吹き荒れる砂埃、人の手首をくわえた犬、ピストルをもちマフラーを巻いた仲代達矢、拷問され這って逃げる主人公。感心するシーンをあげつらってると全くきりがないのですが、とにかくこの作品は日本が世界に誇れる数少ない娯楽映画の名作です!
一つだけ最も好きなシーンをあげろと言われたら、やっぱりラストの殺陣シーンだろうな〜。ピストルをかまえた仲代に近づき、やおら不敵な笑いを浮かべアクションにうつる三十郎。実にカッコ良いです。もう凄い!
もしも、もしも見てない方がいたら、是非見て下さいね!
尚、余談ながらウォルター・ヒル監督(好きなんですが。)、ブルース・ウィリス主演の「ラストマン・スタンディング」はほぼ完璧なこの作品の西部劇版リメークで、悪くはないのですが、まったく笑いがないのよね。とは言え、是非見比べてみるのも楽しいですよ。

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