About Schmidt
(監)アレクサンダー・ペイン (演)ジャック・ニコルソン キャシー・ベイツ ホープ・デイヴィス
☆☆☆★★★
ベストセラー小説の映画化。
大手保険会社を停年退職したシュミットは、まじめだけが取り得の66才のごく普通の男。
退職後はまったく会社からも相手にされなくなり、42年連れ添った妻も突然亡くなる。
妻には不満だらけだったが、大切な存在でもあった。しかし30年前に親友と浮気をしていたことが判明しさらなる孤独へと落ち込んでいく。
娘の婚約者は最低の男だ。シュミットは娘の結婚を阻止すべく大型キャンピングカーで娘の住む町へと向かう。そしてそれは自分探しの旅となっていった。
自分ががむしゃらにやってきた事は、意味のある事だったのだろうかと悩み苦しむ初老の男の姿を、これはまさにジャック・ニコルソンだから演じきれたんだな・・と思える最高の演技。シリアスに、時にコミカルに描かれる、味わい深い佳作でした。
お話は、退職直後に何となく申し込んだフォスター・ペアレンツの里子、アフリカの6歳の孤児ンドゥグへの手紙の形で語られていく。
娘も結婚してしまい、1人帰宅した彼のもとにンドゥグから一枚の絵が送られてきていた。
ラストのニコルソンの表情だけの演技、素晴らしいです。
若きジャック・ニコルソン
ジャック・ニコルソンは好み上、それほど好きな俳優ではない。それでも流石に、幾つかうならされる作品がありました。
「イージー・ライダー」(69年) これは私は好きな映画じゃないんですが、主演の3人の役者としてのその後が、この作品通りなのが面白いんですよ!
フォンダは柔すぎてダメになる、デニス・ホッパーは切れっぱなし。そしてニコルソンの演技はこの二人とは比べ物にならない上手さでしたからね〜。
「チャイナ・タウン」(74年) これはね〜、素晴らしい作品なんですよ。ロマン・ポランスキーのフルム・ノワールへのオマージュ作品ですが、完璧なまでにハードボイルドの世界を表現した名作です。必見!!
「ホッファ」(92年) 全米トラック運転手組合を組織し、政界を動かすまでの黒幕となったジミー・ホッファはある日何者かによって殺される。未だ解明されないこの事件に取り組んだ作品で、作品は今ひとつでしたが、ニコルソンのホッファは凄かった。
アメリカにおける「下山国鉄総裁を殺したのは誰だ!?」みたいな(ちょっと違うか)ミステリーなのよ。画像なくてごめんね。
映画って色々と勉強になるね。

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