鈴木忠 著 (岩波科学ライブラリー122) 岩波書店
¥1,300(本体価格) ISBN 4-00-007462-8
☆☆☆★★★
この生き物の名前を初めて知った時に、ゲットした数々の凄い情報。以来、私の中では宇宙生物にも等しい存在となっていたのですが、今回岩波書店より日本発の「クマムシ」本が発行になりました。
ほとんど都市伝説化しているとも言えるその驚異の能力とは!
1 真空でも平気
2 放射能も平気
3 レンジでチンしても平気
4 150度の高温に耐えられる。
5 絶対零度まで凍らせても平気。
6 120年以上生きていられる
等々・・・。ホンマなのか。
クマムシは、緩歩動物門に属し、この門はクマムシだけの門。ちなみに人間は、脊索動物門に属しているが、この門にはホヤにはじまり、鳥、トカゲ、カメ、魚類、全ての哺乳類、はたまた恐竜まで含まれている。それだけ、クマムシは他の生物とはからだの構造が異なっている。(尚、クマムシは昆虫でも、クモ、カニ等の節足動物でもない。)
クマムシ顕微鏡写真
地球上の至るところに存在し、身の回りだとコケの中なんかにいるらしいです。大きさは0.1ミリから最大のものでも1ミリ位。四対の足(計8本)をもち、クマの様にノソノソ歩く事から、16世紀ドイツの研究者ゲーツェによってこの名前がつけられた。Kliner Wasserbaer = 小さな水熊の意味
クマムシは極度に乾燥した状態になると、体を縮めて樽型になる。この乾燥した仮死状態で、上記にあげた様な驚異能力を発揮するワケですが、6番を除いては確かに実際確認された事実の様です。ただし、実験数があまりにも少なくまだまだ確証には到っていないのが現状との事。
6番に関しては、120年前に採取されたコケに水を与えて観察したら、クマムシが生き返ったらしいのですが、ホントに120年前からそこにいたのかという根拠がなく、実証はされていない様です。
乾燥して仮死状態に入る生き物は、実は他にも甲殻類のアルテミア(=昔流行ったシーモンキーの正体はこれ!)、ネムリユスリカの幼虫等いて、これを「クリプトビオシス」(秘められた生命の意)と呼ぶそうです。なので、生きて動いているクマムシは、簡単にちょっとした事で死んでしまうし、ホントーは、儚げな存在でもあるのですね。
しかし、こういう能力は他の生き物も持っているのに、なぜクマムシばかりがとりあげられるのかといえば、この本の著者曰く「かわいいから」・・だそうです。
そして私の最大の疑問
「樽状態なら、宇宙にそのまま放り出しても生きていられるのか・・?」
著者の弁
「行き着いた先に、蘇られる条件が整っていれば、可能性はあるかもしれない。ただし宇宙線を浴びてしまった母体が、繁殖できるかどうかは難しいかも・・」
生命とは本当に不思議なものです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%A9%E6%AD%A9%E5%8B%95%E7%89%A9
かわいいクマムシイラスト


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