2017/4/14  20:34

大型九畳篆印「萬壽無彊」  篆刻

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「萬壽無彊」(6.5cm角)
実はここのところ続けて大型印を刻しているのは訳がありまして…希夷斎の友人で某企業社長の出資で輸入している萌古石。その中で私が検査し不具合品として撥ねた、商品にならない大型板状印材が会社に残っておると。それを使えるなら使ってほしいと送っていただいたので、何とか使って世に出してやりたいと、一生懸命刻しています。砂釘の入っている部分は彫り抜いたり、文字をら避れば十分に印に出来ます。瓦礫放光とはいきませんが、作ってみればそれなりに作品になったりするものです。

この「萬壽無彊」印は、元代から明代まで長く続いた大型官印の様式を取り入れて刻したものです。文字は畳篆と言われる幾層にも折り畳んだような直線的な篆書体が特徴で、太い枠の中に等分間で配置され、非常に荘厳な雰囲気を醸しだします。元代と清代はそれぞれモンゴル人、満州人の支配した王朝ですから、この様式にパスパ文字や満州文字が併記されます。
この印は明代の漢字のみの官印を摸倣して作りました。

このようにすべての文字を精緻に等分割して布字するのは、感覚だけに頼ってできるような代物ではなく、四字各々の最大公約数的な値をあらかじめ出しておき、それらに従って折り畳み数をできるだけ合わせて、縦横全体の畳数が決まったら印面にその数だけ線を引いて升目を作ります。そこに文字を重ね合わせていくという算術的な方法を用いたりします。別に誰に教わったわけでもありませんが、何度かチャレンジしていって多分この方法が一番確実だなと思った次第。
この類の印は大型印でも昨今の公募展などには一切見ない様式ですね。多分激しくメンドクサイのと、印影にメリハリが付かず全く目立たないからでしょうw
でも、明治、大正、昭和初期の巨大な印人たちは結構手掛けているんですね、こういう印を。
とくに関野香雲のこの手の印は見事です。

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印頭には、中央に小篆で萬壽無彊を陽文で配置し、両脇に曹全碑系の隷書で落款を施しました。
それにしても萌古石は見た目は良くないですが、ハネものですらかなり安定感があり、欠き飛ばしや、割れなどほとんどなく、微に入り細に入る表現が可能な良材だと思います(^^♪
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