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2010/3/2

今日はまた書きたくてしょうがない  ザ・ハングタン

「ザ・ハングタン+」にようやく旅刑事Eアップ。F執筆中。

しかしハングタンもちゃんと書かないとね。もうすぐ卒業だ。
今年も卒業ネタは開運橋になるのかな?

そこで、2008年度版をここで公開します。
清水町のマンションで、横田夏子は渡航の支度をしていた。
「俊彦さんにもさよならを言わなくちゃね」
そこに牧村環がやってくる。
「いよいよね」

原俊彦が盛岡学園にやってきた。
(もうここへ来ることもないか)
俊彦は理事長室に来て、大谷正治と話をした。
「ハングタンのおかげで盛岡も平和になりました」
「よかったですな。しかし…」
大谷はうつむき加減だった。
「彼女たちが全員卒業したら、誰が岩手を守ってくれるんでしょうか?」
それを聞いた俊彦は、胸板を叩いて自慢げにこう言った。
「それはもちろん」
「もちろん?」
「ザ・新選組」
それを聞いた大谷はうなづいた。
「なるほど、よく言ってくれました」
「やはり岩手県民が自発的に立ち上がらなければいけないと、この1年で痛感しましたね」
「それならいいんですが…」

斉藤葵は都南にあるシーウェイブ急便の事務所で小澤さおり、椎名英俊と荷造りの準備をしていた。
「今日、横田さんのお宅から家財道具一式を運ぶんですって」
「あそこは確か3人住まいですよね」
「はい」
そこに社長である斉藤勲がやってきて、横田家の荷造りについて説明する。
「横田さんちの家財道具は空港まで、牧村とあるものは越後運輸の倉庫まで」
「わかりました」
勲は葵に向かって言う。
「ところで、おめぇも東京へ行くんだろ?」
「東京じゃない、茨城県の龍ヶ崎ってとこ」
「そうか」
勲はなにやら考えがあるようだった。

荒川まどかは女子サッカー部の部室で球磨き。
「さてと」
まどかは赤い封筒を傍らに置いて部室を後にした。
それからしばらくして、浅野さくらたち4人の部員が部室に入ってきた。
「あれっ?」
さくらはきれいになった部室に赤い手紙が落ちてることに気付く。
「これ、なんだろう」
さくらは拾った手紙の封を切り、手紙を読んだ。
「まどか先輩よ」
「へぇ、どれどれ」
まどかの手紙にはこう書かれていた。
みんなありがとう。
これからあたしは浦和レディースに行きます。
もしかして林君にも会えるかな?
機会があったらさいたま市大原に遊びに来てね。
 まどか
それを見たさくらは他の部員たちと円陣を組み、気合を入れていた。
「まどか先輩に負けるな!」
「がんばろう!」

白澤美雪と高橋(鹿谷)弥生は体育館から制服姿で出て行くところだった。
「こことも今日でお別れね」
「うん」
そこで二人は田村(中島)愛里とすれ違う。
「先輩、そんなにしんみりしないで。新潟へ行っても牧村先生と一緒なんでしょ?」
すると弥生は顔を上げてこう言う。
「そうよね」
「今度はあたしたちの番ですから。新潟で会いましょう」
そう言って愛里は他の部員たちと体育館の方へ走っていった。
「また、会えるよね」
「そうね」

そして校門の前で環と俊彦が美雪、弥生、まどかを待っていた。
「みんな、さよならを言ってから来るんじゃないですか?」
「そうね。心残りがあるといけないから」
俊彦はじっと下足箱のほうを眺めていた。
「それじゃ、僕は原稿を出しに行くので。待ち合わせは開運橋で」
「うん」

盛岡駅と市内をつなぐ開運橋は、明治の昔盛岡駅開業に合わせ完成した橋である。
盛岡を離れるとき、別れを惜しむ涙を流すことから「涙橋」とも呼ばれる。
「俊彦さん、遅いですね」
環は腕時計を見ていた。
「新聞社からここまで20分程度」
「もう1時間は経ちましたよ」
「おかしい」
と言うとき、俊彦の声がした。
「ごめん、遅くなった」
そして俊彦は開運橋のたもとの歩道橋にハングタンたちを案内した。
「お前たち、今日が盛岡を見るとりあえずの最後だろ。じっくり見たいなら今のうちに」
ハングタンたちは岩手山を、北上川を、そして盛岡の街を目に焼き付けた。彼女たちの脳裏にハングタンとして盛岡に暮らした日々がよみがえった。
「さぁ、行こう」
俊彦は涙ながらに言った。
「うん」
「夏子先生も待ってる」

夏子は盛岡駅のバスプールで待っていた。
「あっ、俊彦さん、マッキー」
「先生!」
夏子は手を振った。
「名古屋行きでしょ?もうすぐじゃないですか」
俊彦を先頭に、ハングタンたちは地下道からバスプールへ。
「来てくれたんだ」
環はふくれっ面。
「もう、俊彦さんが遅いからこんなことに」
「ごめんよ」
夏子はすでに旅行かばんを持ってきていた。
さらに向こう側の道からクラクションが響く。それは斉藤勲が鳴らしたものだった。
「社長」
「おじさま」
葵は勲にエスコートされる。
「よし、このワゴンで龍ヶ崎へいぐぞぉ〜!」
すると俊彦は待ったをかけた。
「先生の乗るバスの後ろを見るように…わかった?」
「せんせの後をついてけばいいんだな」
「ありがとうございました」
葵は俊彦と両の手で握手した。
「おじさまのこと、よろしく」

環、弥生、美雪、まどかは新幹線に乗る。
「あたしと弥生、美雪は新潟、まどかは埼玉」
「そうか。新潟だったら会えるよね、国体とかあるし」
それを聞いた環は俊彦にこう言った。
「俊彦さん、新潟来るときは新発田のうちにも寄ってください」
「わかりました」

そして夏子を乗せる空港バスが到着。
「先生…先生!」
「俊彦さん」
俊彦が夏子に駆け寄る。
「また、会えますよね?」
夏子はうつろな目で答えた。
「う、うん…また、この季節に」
「わかったよ」
そして俊彦は夏子を見送り、バスに向かって叫んだ。
「先生!来年の今頃は…」
しかしそこで俊彦は言葉をつまらせた。

葵は勲の運転するワゴンで夏子の乗った空港バスとともに東北自動車道を南下した。
環たちは東北新幹線でまどかを大宮に置いてきてから、新潟行きの上越新幹線に乗った。
飛行機のジェット音が夕焼けの盛岡に鳴り響く。
「先生…みんな…」
俊彦は北上川を見ながら横田夏子、牧村環、斉藤葵、白澤美雪、荒川まどか、高橋弥生と過ごしてきた日々を思い出していた。
「帰って来い!盛岡はいつか君たちを必要とする。それまでは僕たちががんばらないと」
そう言って俊彦は街中へと消えた。
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