修道士カドフェル (テレビシリーズ)
Cadfael
イギリスのテレビ番組「修道士カドフェル」シリーズをご存知でしょうか?原作は有名な小説なので知っていたのですが、今回パナウィチさんからテレビシリーズを9話程お借りして、とても面白かったので紹介させていただきます。
12世紀の英国。スティーブン王とモード王女が英国王座をめぐり内戦が続いていた時代。シュルーズベリを舞台に、中世の修道士が事件を解決する異色ミステリです。
主人公の初老(50代位かな?)の修道士カドフェルは、かつて十字軍の騎士として、戦地へ赴いた歴戦の兵士だったが、帰国後修道士として神の道に生きる決意をする。
地獄の様な現世を嫌という程体験し、薬草の知識が豊富で博学な彼のもとには、様々な未解決事件が持ち込まれてくる。カドフェルは持ち前の才能を駆使して、地区執行官のヒュー・ベリンガーとともに事件を解決していく。
カドフェルは解剖はしないものの、死体の検分などをして事件のヒントをつかんでいく。ちょいとした中世版CSIの赴きもあるのですが、この作品が素晴らしいのはテーマが慈愛と贖罪にある事。ただ事件を解決するのではなく、犯人の置かれた境遇、心の痛み、時代が生む悲劇などを描いていく。慈しみの気持ちに溢れたカドフェルの活躍を見ていると、こちらまで心が癒される感じがします。もちろん探偵物としてもかなりの出来栄えです。
もう一つの見所は、12世紀イギリスの風物・風俗描写等が楽しめる事。市民、行政、教会の関係などもわかって歴史の勉強にもなります。きっと原作を読めばもっと詳しく描写がありそう。
原作者は、女性作家のエリス・ピーターズ。本名のイーディス・バージター名義で数々の歴史小説を発表する一方、エリス・ピーターズ名義で推理小説を書く。1995年82歳で死去。カドフェルシリーズは全21作もあります。(光文社文庫) とりあえず、1冊読んでみようかなと思ってますが、読みたい本が多すぎて辛いな〜。(笑)
以前NHK・BSで放映されていた事があるそうですので、機会があったら是非見てみて下さいね。お勧めのテレビ・シリーズですよ。

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