Key Largo
1948年/アメリカ (監)ジョン・ヒューストン
(演)ハンフリー・ボガート ローレン・バコール エドワード・G・ロビンソン ライオネル・バリモア クレア・トレヴァー
☆☆☆★★
戦後まもなく、戦友の遺族を見舞いにフロリダ半島のキー・ラーゴに赴いた復員将校ボガート。遺族の父ライオネル・バリモアと未亡人ローレン・バコールはそこでホテルを経営していたが、そこはエドワード・G・ロビンソン演ずるシカゴのマフィアのボスのロコ他ギャング一味の隠れ家でもあった。ハリケーンの接近にともない、彼らは凶暴化。はじめは戦争の影響で無気力だった彼だったが、やがて立ち上がり一味を追い詰めていく。
もとは戯曲らしく、演劇が原作らしい密室劇。空間的な広がりはないものの、お話の構成はなかなか巧みで、サスペンスの盛り上げも上手い。ただ、最近の犯罪映画を見慣れている目から見ると、あまりにもバイオレンス性がとぼしく、若い人だと物足りなさにゲンナリしてしまうかも。さほどに、ちょっと前までの犯罪映画には道徳心(?)があった。以前にも書いたけど、全体的にマナーが良く上品なのよね。もちろん殺しは起きるけど、血なまぐさい描写はない。それを物足りないと思ってしまう私達がおかしいのかもしれないね。
ところで私にとって今回の最大の収獲はローレン・バコールの美しさでした!実は私、彼女の作品をほとんど見た事がなくって、若い彼女の作品を見るのはこれがはじめてかも。すでにボガートの妻だった彼女だけど、まだ20代半ばで、類希なるクール・ビューティーです。私にとってずっと、M・ファイファーが憧れだったけど、彼女になっちゃいそう。(あ、バルドーだけは例外。彼女は憧れをとおりこした、私のミューズなので。)
自伝 "Lauren Bacall By Myself"
和訳は絶版の様でしたので、オリジナルのペーパーバック版をご紹介。これはとっても良く売れてたのを思い出します。日本にサイン会にも来たよね。
エドワード・G・ロビンソンの情婦を演じたクレア・トレヴァーは1948年度アカデミー助演女優賞受賞。J・ヒューストンはこの年「黄金」でアカデミー監督賞受賞。作品賞は「ハムレット」にもっていかれました。

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