Gaslight
1944年/アメリカ (監)ジョージ・キューカー
(演)イングリッド・バーグマン シャルル・ボワイエ ジョゼフ・コットン アンジェラ・ランズベリー
☆☆☆★★★
私が中学生の頃、東京12チャンネルで、三橋達也解説による「思い出の名作洋画劇場」という映画番組が放映されていた。この番組では、外国のクラッシックな名作を毎週木曜日に放映。ビデオのない時代、古い映画を見たければ、名画座にかかるのを待つか、テレビ放映待ちだったあの頃、この番組は本当に貴重な番組でした。
心に残っている作品と言えば、ヴィヴィアン・リーの「哀愁」、ヒッチコックの「レベッカ」、ジャン・ギャバンの「ヘッドライト」。そしてこの作品もその1本。今回、中学生の頃以来超久し振りで再見しました。
ガス燈時代のロンドン。大歌手の叔母が何者かによって殺され、姪のバーグマンは全財産を相続する。音楽家のS・ボワイエと結婚し、叔母の家に移り住むが、精神に異常をきたす様になっていた。彼女は本当におかしくなってしまったのだろうか。
ミステリーなので詳しく書けないのが口惜しいのですが、やっぱり昔の作品は良い!全てにおいて品があり、モノクロで陰影の濃い古風な画調が、20世紀初頭(だと思う)のロンドンの雰囲気を良く出していて、ムード満点この上なし。カラクリはいたって簡単。見てる間に誰でも謎解き出来ますが、そんな事はどうでも良いのだ。
ただただ美しいイングリッド・バーグマンの演技に酔う。彼女はこの年のアカデミー主演女優賞をこの作品で受賞しています。
そして、上品かつハンサムなシャルル・ボワイエのフランスなまりの英語にうっとりするのも楽しい。彼は晩年、ブリジッド・バルドー主演の「殿方ご免あそばせ」でもエレガントでしたよ!
そしてジョゼフ・コットン!大好き!はたまたアンジェラ・ランズベリーが若い家政婦役で出ているのも興味深いですよ。

名画は、いつまでたっても色褪せないのです。

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