休日の日、いただいた映画のチケットをムダにしたくないので久し振りに映画のはしごに繰り出しました。今日は、2本まとめてご紹介します。
蒼き狼 地果て海尽きるまで
2007年/日本 (監)澤井信一郎
(演)反町隆史 菊川怜 若村麻由美 松山ケンイチ 袴田吉彦 保坂尚希 松方弘樹 平山祐介
☆☆☆★★★
角川映画には、何度もだまされてきたせいもあり、この作品も実は全く期待していなかったのですが、なかなかの秀作でした。角川春樹の名前を出さなければ、もっとヒットしたんじゃないの・・などと角川嫌いの私は思ってしまいました。
井上靖の小説「蒼き狼」をベースに、森村誠一の「地果て海尽きるまで小説チンギス汗」を物語の原作として描かれた作品。モンゴル政府の全面協力を得て、オール・モンゴル・ロケ。モンゴル建国800年記念作品と銘打っての歴史大作です。
澤井信一郎は、80年代に「野菊の墓」「Wの悲劇」「早春物語」などで、日本映画界を湧かせた監督。やっぱり、流石だな〜と思いました。正統な演出方法で、少しもぶれる事なく、物語を進行させていく手腕は一流です。これがプロの監督ってもんだ。スピルバーグがインタビューでいみじくも語っていましたが、おおがかりな作品は監督のひらめきや感性だけで動かせるものではないのです。そこを勘違いすると、オリバー・ストーンの「アレキサンダー」の様な作品に
なってしまう。
キャスト、スタッフともに真摯にこの作品に取り組む姿勢が心地良いのですが、チンギス・ハーンを演じる主演の反町隆史の演技があんまり上手くないのが残念だな〜。がんばってるんだけどね。
あと、出番少ないながらも松山ケンイチの役どころは非情に重要。泣けたよ、松山君。
全員のがんばりに、★一個おまけで〜す。ただ、最後のイメージソングは何とかならんかな〜・・。映画の余韻がだいなしだ。大体、イメージソングなんてやめちゃったらどうだよ。
大帝の剣
2007年/日本 (監)堤幸彦
(演)阿部寛 長谷川京子 宮藤官九郎 黒木メイサ 津川雅彦 杉本彩 竹内力 前田愛 江守徹(語り)
☆☆☆
ホントはこっちの方が、ズッと期待していたんだから、皮肉な話だよな〜。
だって、堤幸彦なんだもん。「金田一少年」も「Trick」も大好きだからね!
しかし、映画の冒頭のシーンから、果てしなく安っぽい雰囲気で、「うむむ・・」なんて思ってたら、もうラストまでとにかくどうでも良い様な安っぽいお話が延々と続くのでありました。テレビで良いんじゃな〜い?こんな作品。
原作は夢枕漠のSF時代劇(っていうのか?)、「大帝の剣」。不思議な力を持つオリハルコンという金属を求めて、宇宙人やら、徳川の忍者やら、豊臣家の末裔やらが、入り乱れての活劇となる。時代背景は、徳川3代将軍家光の治世。ま、時代背景なんてどうでも良いんだけど。だって、オープニングはスターウォーズみたいになってたし。真夜中にテレビ放映で見るのが、ピッタリっていう作品だよ〜。
それとさ〜、真田幸村の役で、津川雅彦が出てたんだけど、彼は、「蒼き狼」にも神官の役でチョコっと出てて、うんざりした。何で、どこにでも顔を出すんだよ!怪獣映画にも、よ〜く出るんだ、この人は。それも、みんな同じ演技。もっと、大事に仕事した方が良いんじゃな〜い。
最後にパンフレットの中の堤監督のコメント。
「誰も突っ込んでくれませんが、ラストのタイトルバックはキューブリックの「2001年宇宙の旅」の最後のサイケトリップのオマージュなんですよ。」
あ、そうなの〜?そう言えば、光の矢が次々と流れてたわね〜・・って、こんなくだらない作品の後で、そんなオマージュしてたなんて思うか!っての。
憎めない人だよな、やっぱ。(笑)

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