1983年/アメリカ (監)フィリップ・カウフマン
(演)サム・シェパード スコット・グレン エド・ハリス デニス・クェイド ヴェロニカ・カートライト バーバラ・ハーシー
☆☆☆☆
トム・ウルフ原作のアメリカ航空宇宙史のはじまりを描いた作品。米ソ宇宙開発戦争を背景にスピードと危険を愛する空の男達の物語。
私は、こういう作品に非常〜に弱いので、今回初めて鑑賞して大いに感動してしまいました。
1957年ソ連が、人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げたことから、この熾烈な競争は始まる。その翌年、アメリカ政府は陸海軍から宇宙飛行士候補となる人間7名を選抜する。彼らがライトスタッフと呼ばれた空の精鋭達。同年、アメリカ航空宇宙局(NASA)も設立される。有人宇宙飛行を目指したこの計画は、マーキュリー計画と名づけられた。
ドイツからの亡命科学者を中心に進められた技術開発は、当初ソ連に大きく差をつけられ、人類発の有人飛行も、1961年ユーリ・ガガーリンによって先を越される。まず、チンパンジーを送り込んだアメリカは(このシーン、すごいおかしかったよ。)、続いて1961年にアラン・シェパードによる16分間の弾道飛行、1962年にジョン・グレン(スペース・シャトルにも乗った人ね。)により5時間弱の飛行を成功させた。
そして1961年のケネディ大統領の有名な「人類は月へ向かう」演説とともに、マーキュリー
計画は、ジェミニ計画、そしてアポロ計画へと引き継がれていく事となる。
この作品は、当時の時代の空気をよく描いているとともに、パイロット達の人間描写が、爽やかに明るいタッチで描かれていて、とても楽しめる作品でした。
そして平行して描かれているのが、学歴がないために最高の技術を持ちながら選抜されなかったチャック・イェーガーという人。イェーガーの自伝は、80年代にベストセラーだったのを覚えていますが、現在邦訳は絶版になっていました・・。トム・ウルフの「ライト・スタッフ」も絶版。(ためいき)

イェーガー本人と戦闘機。
チャック・イェーガー。1923年生まれのアメリカの軍人。第二次世界大戦でのエースパイロット。世界初の音速飛行を実現させて男だ。これを、サム・シェパードが演じるので、もうたまらんですよ。このイェーガーのエピソードがなかったら、この作品がこれほど成功したとは思えません。
まさに空の男。ライト・スタッフ入りした、メンバーが訓練に追われ、マスコミにもてはやされ、バカバカしいパーティーに出席させられている中、彼は誰にも注目されない中、新しく開発された戦闘機ベルX−1A機で、マッハ2.44を記録する。
イェーガーはまだ健在です。ホームページもありました。
現在84歳。最近は、ショベルカーの操縦を楽しんでるみたいでした。(笑)
http://www.chuckyeager.com
私は、アポロ計画が大好き!続く、アメリカの宇宙計画に興味のある方には、トム・ハンクス製作のテレビ・シリーズ、「フロム・ジ・アース」が超お勧めです。マーキュリーからはじまって、アポロ計画の終焉までが、描かれている作品です。
しかし、男の人ってどうしてこうも危険な事が好きなのかしら・・。
「バカみたいだな〜。」と思いながらも、うらやましく思えるごみつなのでした。

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