2011/10/28  0:34

内モンゴル見聞録UそのB  篆刻

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今でこそこうして、元気に剣を振りかざしながらw精力的に巴林石の収集、保護、研究、販売をされている李社長ですが、数年前に大病を患い大変な時期もありました。しかし持ち前の気力と明るさで病を完治させ、こうして我々ともお付き合いいただけるまでになったのです。
そして今では印材だけではなく、自給自足の生活をも夢み、巴林郊外に広大な農園を持ち、リンゴや梨などの果樹から、野菜の無農薬自家栽培、また養鶏養豚、牧羊と農畜産業に対してもまた精力的に活躍されています。今回はその農園にも案内していただきました。

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広大な山の斜面に植えられたリンゴ畑。今は収穫を終えてひっそりとしていますが、最盛期は畑一面がリンゴで真っ赤になったそうです。
遠くの方には放牧された羊の群れも見えました。

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真っ青な空と、赤い岩山と広い農地と…暫しボーっとしてしまいます。あの遠くに見える山の奥のほうに、巴林石の採掘される坑道があるそうです。

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豚舎には、生まれて間もない子豚がたくさんいました。モンゴル語で豚肉をガハインマフといいます。羊肉をホニニンマフ、牛肉はウヘリーマフ、鶏肉はタヒアニーマフ。

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日本にはこういう景色にはなかなか出会えないですね。別世界です。

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李社長の社長室に掲げられていた書。これイイですわ〜。。いい。
落款には「己丑年秋月天津柴俊偉書於内蒙巴林右旗」とあります。存じ上げませんが、天津の柴俊偉という方の書のようです。

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それにしても今回は丸3日間も、何から何まで李社長にはお世話になりっ放しで、何とお礼を言ってよいのやら分かりません。李社長以下社員の皆様やご家族の方々のご厚情には思い出すたびに心温まる想いでいっぱいです。
写真向かって左の方は、政府の方ですが李社長との幼馴染でもあり。今はここ彫芸公司の重役でもある馬顕忠氏。大変面倒見のよい温かい方で、今回3日間にわたり様々なお世話をしてくださいました。私がいきなりコレラのような下痢に襲われて唸っていたときも、即座に薬を買いに行って下さり飲ませてくれました。恐いくらいに一発で効く薬をw

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そして今回、私と内モンゴルでの丸々四日間の旅を一緒に行動してくれた、友人会社モンゴル人社員の、ドゴル氏(左)、アッツェンゲルト氏(右)には、本当に全幅の信頼を置いて身を任せることが出来ました。両氏の本当に強く逞しく優しい人柄に惚れ込んでしまいました。常時、私の拙い中国語や、未知のモンゴル語の通訳をスムーズにしていただき本当に色々助けて頂きました。今回本当に楽しい旅になったのも彼等のお蔭であります。しかし、モンゴル民族の持っている雰囲気というか波動というか、日本人と殆ど変わりません。モンゴル民族と一緒にいると何故か心が落ち着くのです。写真は3日間滞在した巴林賓館前。

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さて今回の訪問に際し、萌古石の在庫のなくなったものや、冠帽型印材など新しいサイズの石も注文しました。まだ全て日本に届いておらず、販売できるまでに少々時間がかかりますが、随時篆刻印材についてはまた別項にて紹介販売いたします。

さてでは次回、内モンゴル見聞録第二弾として、モンゴル食事情編を続けてお送りいたします。

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2011/10/24  10:24

内モンゴル見聞録UそのA  篆刻

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さてさて。トラックで運ばれてきた大きな原石の塊はこの大きな旋盤ノコで、李社長自らが切り分けます。このノコギリも社長自らが組み立てて作ったそうです。ここに転がっている白い原石は、最近日本でも学校の美術教材などによく登場する、遼寧省産出の「海岳石(ハイユエ石)」というもの。硬度が極端に低く爪でも削れてしまうくらいの軟材ですが、比較的密度は高く重量もあります。見かけも青緑のガラス色で磨けばそれなりに美しくなります。しかし篆刻には向きませんね。

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さてこれは、長さ50cmほどの巴林原石です。一見何のヘンテツもない石塊に見えますが、石中央部よりやや左下辺りに紅い点が二つ見えるのが分かるでしょう。ココの部分が鶏血石です。そしてその紅点の僅かに下辺りから、山脈状にやや右斜め下に伸びる尾根の終わり辺りに、ぼんやりと薄紅色に広がる部分が見えるでしょう。コレは美人紅や粉凍石と称される逸材になります。この石は油が塗ってあるので何とか分かりますが、こういった、原石から貴重な部分を探し出す目力が何より大切なわけです。また石の表面ばかりではなく石の中にもこういった貴重な部分があるわけで、それを表から岩脈をたどって見つける事も出きるのです。

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ここは四方を巴林逸材たちに囲まれた、もう一つの社長室。前回はこの部屋には案内していただけませんでしたが、今回は快く開放していただくことが出来ました。ここは李社長が至福の時間を過ごす場所ですwはっきり言って眩暈がします。恐怖すら覚えますw


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巴林石の最大の特徴は、その多様性です。この写真を見ても分かるように、杜稜坑、田黄、芙蓉、朱砂凍、水晶凍のような寿山系容姿を持つもの、鶏血をはじめとする昌化系特質を持つもの、また醤油青田のような深い色合いのものなど、中国三大印材の特徴を全て兼ね備えているのが特徴だと、李社長は仰っています。刻味には共通した粘りがありますので、篆刻家にとってはその評価はさまざまなところとは思いますが、材の美しさ多様性においては三大印材に遜色のない、否、それらを凌駕する材と思われます。

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う〜む…

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黒地に紅の細かい網の入る「鶏血王」ううぅ…

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これは血の部分をおしゃれな獅子の帽子に見立てものです。白芙蓉のような地の部分とのコントラストが見事ですが、獅子の凶悪な顔にハイカラな紅い帽子のミスマッチがww…ハァ…

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これには言葉を失いました。まるで田黄のような高さ20cm近くある巨大な彫刻。
ふう…

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逸材たちの自然のオーラに当てられて、見ているだけで大変疲れました。
さてこれは七分角の印材に刻された。モンゴル文字の詩文。幅2cmですから、一文字がどれほど小さいものかわかりますよね?
「微刻」といって良く中国のお土産品にもありますが、これはそんな生易しいものではありません。微刻家という、これを生業としている作家がいます。裸眼だそうです。というかここまで小さいと、刻面すら見ないで指先の感覚だけに頼って刻すのだそうです。盲パイならぬ盲刻です。嗚呼…

つづく。
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2011/10/19  23:19

内モンゴル見聞録U  篆刻

さてさて、溜まっていた仕事もようやく終えましたので、今回の巴林取材記をUPさせていただきましょう。

今回は、二つの用件で内モンゴルを訪れたのですが、一つは第二回目の萌古石印材の輸入と石材調査。もう一つは食に関する事案なのでこの二つに分けてレポートしてまいりたいと思います。

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今回はもう勝手知ったる北京首都国際機場。果てしなく広くでかい空港内も、迷子のようにあたふたせず難なく次の目的地の赤峯への国内乗り継ぎを終えることが出来ましたw写真は第3ターミナル到着ロビー中央の巨大な黒鼎の前にて。

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成田を出発したのが午前9時半、北京到着が午後1時すぎ。赤峯空港行きの国内便はなんと午後6時半。北京で半日待たされる破目に。しかし、友人会社のモンゴル人社員で今回の旅に随行してくれる、ドグル、アッツェンゲルト両氏と待ち合わせ後、三人で昼食を摂りながら地元内モンゴルの話題で盛り上がり、あっという間に時間が経ちました。写真は、やっと到着した小さな小さな赤峯空港。

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巴林到着は午後10時。その日はそのまま巴林賓館に泊り移動の疲れを癒そうと風呂に湯をはったが、入ったら風邪ひきそうなぬるま湯程度しか出ず、諦めてベッドに倒れこむ。写真は早朝のホテルの窓から。正面はバイン・ショーホ(豊かに実らす鍬)と呼ばれる岩山。見る場所によって鍬の刃先に似ているのだとか。

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朝食もタップリ味わって、一路、巴林石材加工会社「巴林石芸美彫芸公司」へ。
前回は何のアポも取らず飛び込みで行きましたが、今回は李社長以下社員総出で、熱烈歓迎で出迎えていただき非常に恐縮しました。

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早速、数々の貴重なコレクションの展示室に案内して頂きました。コレは前回見なかった息を呑むような巨大鶏血。地の白と血のコントラストが異常に鮮やかな逸品。見ていると恐ろしくなります。

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これは、極上の田石にも似た、あるいは醤油青田のような深い色合いが見事な逸品。こんな巴林石見たことありません。この見事な彫刻は李社長の刻です。本当に凄い!

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これも李社長自らが自画像を刻したもの。微に入り細に入り見事というしかなく、この様な緻密で細かい神経の行き届いた技量を持つ李社長は、殆ど冗談ばかり言っている話し好きでお茶目なチンギスハーンのような大男↓であります。
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先ほどの鶏血を手にして。流石に直に持つ勇気はなく手を添えるだけにしましたwだって800万元なんて、落として割ったら私死ぬしかないですわw

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ここは李社長の専用の工房です。原石からの切り出しは、殆ど李社長自らが手掛けるそうです。石の目や脈の良し悪し、材質に貴重な部分が含まれていないか、原石を見分けながら切り出すのは至難の業であり、やはり李社長しか出来ないようです。

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紐(印材上部の彫刻)が付かないものは、ここでサイズを均一に整え、ダイヤモンドの円盤で研磨され製品化されます。

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紐を作るスタッフはたくさんいて、馬の置物専門の人、花柄彫刻専門の人と、印材の紐でも龍、虎、人物など各種専門スタッフで分業しているそうです。因みに小さな印材の紐なら一本一時間もあれば出来てしまうとのこと。皆プロです。当たり前ですがw

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大方作り終えた紐は最終的に、ここで耐水ペーパで研磨して艶を出す行程を経ます。盥に水を張り竹串のような棒の先に耐水ペーパーをくるりと巻き付けて棒鑢にして磨きます。丁寧に丁寧に一つずつ全て手作業で磨きをかけます。

つづく
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