2011/11/12  13:13

内モンゴル食事情偏そのB  食い物

さて、今回の内モンゴル視察は二つの事業展開のためと前述しましたが、一つは印材輸入、もう一つは
      
  「内モンゴルでカレー屋を始める!」

ため。もちろん私自身がやると言うわけではありませんがw

もとはといえば、私の友人会社(鉄製機器製造会社社長)の従業員として、たまたまここ内モンゴル巴林出身に先のアツェンゲルト氏がおり、その関係でこうした印材輸入事業にも出資を決めたのでした。
友人社長も私と同大学の書道科の同窓ですので当然文房四宝にも一家言あり、日本で初めての、そして良質の印材を輸入したいと、今回その担当を篆刻屋である私に託してくれたわけです。

さて、そのアツェンゲルト氏が祖国内モンゴルに帰国後の仕事を思案しているのですが、折角の内モンゴルとの縁ですし、アツェンゲルト氏も本当に良く働いてくれている。そこで会社で出資し店を構えたらどうかという話しになり、実は「モンゴルにはカレーが無い!」との情報により、ことのほかカレーに目の無い友人は

    「よ〜し、カレー屋いきますかぁ!」

と即決w
なにしろ現地モンゴル民族はカレーというものを殆ど食べたことが無い。
そこでインド料理店で丸6年バイトしていた経験をもつ私にまたもや白羽の矢が立ち、モンゴル行ってカレーを作って皆に食べてもらって反応を確かめよう!とw
私も、海外に行って、しかも食べたことの無いカレーを食べてもらうなど初めての経験ですし、料理は篆刻より得意ですから(爆)かなり前のめりになりワクワクテカテカで即断。
先ずは印材取引でのご縁を頂いた李社長とそのご家族や従業員さんたちに食べていただいて、いかなる反応が帰ってくるか、また忌憚の無いご意見を伺い今後のカレー屋出店の参考にしようということになりました。
もちろん全て現地の食材での調理になりますから、当然羊肉のカレー(マトンカレー)になります。
アツェンゲルト氏と共に段取りを組み、彼の奥様にも手伝っていただき、李社長宅のキッチンをお借りして出張料理人として参上したわけでありますw
で、先ずは現地にて食材探しから。

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路上の至るところに露店が並び、肉や野菜を売っています。
ここは果物屋さん。写真手前は日本では見られない小型の梨。甘みは程ほどですが、非常に香りが強く洋ナシに似た歯ざわりです。リンゴを擂り卸してカレーに入れるつもりでしたが、李社長の果樹園のものを頂くのでここではパス。


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この露店で殆どの野菜類を調達しました。全部計り売り。玉ねぎ20個、トマト5個、香菜一束、きゅうり5本、甘長唐辛子5本、にんにく1個、生姜(大)1個、芹菜(中国セロリ)一束、全部で22元。日本円に換算すると約275円。廉っすぅ〜。
日本のディスカウントストアで買っても10倍はしますな。このほかに米屋で米を5`(一斤500g約2元)250円、小麦粉(値段忘れた)、スーパーでは油、ヨーグルトなどを購入。

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肉類でこうして露店でドカンと置いて売っているのは、殆ど豚肉です。牛や羊は冷凍しているものも多いようです。其処此処の露店で生肉がテーブルの上に無造作に置かれています。

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これは、アレですね。気の弱い方はスルーして下さい。見てはいけません。そこいらにゴロゴロと牛の生首が転がっています。これももちろん売り物です。
う〜むやはり流石ですね。日本で、そこいらの路上でこんなことしてたら完全にアウトですね。肉を喰らうということの本質をまざまざと見せ付けられます。
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とりあえず内モンゴルの草原をご覧頂き一呼吸置きましょ…

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調理時間は2時間半ほど。時間との戦いでしたがアツェンゲルト氏にひたすら玉ねぎ色づくまで炒め、煮込みまでやってもらい大変美味しいカレーが出来ました。
初めてのカレーなのに李社長以下従業員の皆さんも美味しい美味しいと舌鼓を打ってくださいました。初めての味、香り、辛味の経験なので、社交辞令で美味しいと言ってくださっているのだとばかり思っていましたが、辛い辛いといいながらも全く残さず平らげてくださった様子をみて…むむ?イケルかな♪と…

羊の肉は羊肉専門の店で錫林郭勒(シリンゴル)産の羊を購入、2`で108元(約1350円)は、野菜との比較や中国の物価から考えてもかなり高額だと思います。しかし、このシリンゴル産羊の激しく美味いことと言ったらもう…臭みなど全く無く、幾つかの重要な行程をすっ飛ばして簡単に作ったカレーの割には、日本でのマトンカレーを大きく陵駕するほどの絶品マトンカレーになり、ここ内モンゴルの羊肉の底力を知りました。
時間の関係で付け合せには、キクラゲときゅうりと甘長唐辛子のインド風和え物(アチャール)と揚げナンの二品。
最初はカレーのための数十種類のスパイスも何とか現地で調達できる香辛料で工夫しようとしましたが、予備として日本から持参したスパイスに頼らざるを得ませんでした。またインドカレーには欠かせないトマト缶もなく、ヨーグルトもプレーンのものは無し。果たして美味く出きるのだろうかと内心激しく焦りましたが、アツェンゲルト氏の非常に丁寧な仕事により、急場での作業でしたが大成功。奥様も料理上手で、このカレー事業も大分やる気になって下さったらしく、今後の内モンゴル初のカレー店出店計画の第一歩となったような気がしておるのは私だけでしょうか?(笑)

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さて、今回の印材輸入や内モンゴルへの渡航費用等、金銭的な面での全ての出資をしてくれた学友、三友工業株式会社の鬼頭社長(写真右)です。私のようなアホに散々良い思いをさせているので会社が傾かないか心配です。
今回彼は内モンゴル科左后旗という場所での海外工場設立の為の出張の途中に巴林にて合流し、再び科左后旗に戻りましたので、実質2日間しか行動を共にできず残念でした。
それにしても学生時代、彼とは散々一緒に飲んで、暴れて、歌って、遊び倒しましたが、一緒に一生懸命勉強したという記憶だけが何故かないのが不思議ですw
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2011/11/10  12:15

内モンゴル食事情偏そのA  食い物

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中国経済発展の波はここ巴林にも当然押し寄せて来ており、砂漠原野を開拓して工場も建ち並び、それに従事する人々も次第に増え、団地の数も軒並増加しているようです。
写真は街道沿いに立ち並ぶ団地の一画。良く見ると窓際に何か籠のようなものが掛けられているのが分かるでしょう。
北側の窓辺に設置された籠に野菜や肉類を放り込み、冬は冷凍保存ができる簡易冷凍庫だそうです。゜


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さて巴林滞在最終日に、李社長にご馳走していただいた、所謂「羊肉火鍋」(ヤンロウフォーコー)をご紹介します。
とにかく美味しかった。もう一も二もなく美味いのです。近くにこの店があったら週に一度は行ってしまうw


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満漢全席ならぬ羊肉全席。
日本人が鯨を獲ったら、その全てを余すところ無く使うように、モンゴル人も羊は余すところ無く使います。捨てるところなど全く無いと言い切ります。
テーブルには各部位ごとに切り分けられた羊が所狭しと置かれます。


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「火鍋」は日本で言えばシャブシャブに相当します。
写真のような辛い汁の中でしゃぶしゃぶした後、独特の辛味の聞いた醤を付けて食べます。
唐辛子を主体として、棗や葱、生姜、花椒、ビャクズク、何やら多くの漢方薬のようなスパイスが調合されており、えもいわれぬ鮮やかな色、芳しい香り、食欲をそそる辛味と、完璧なまでの鍋であります。
付けダレは自分の好みで混ぜ合わせて作るのですが、私は初めてなので李社長に上手く調合して作っていただきました。
馬さんの説明によると、チーマージャン、モンゴル辛味噌、花椒、唐辛子粉、韮の花の擂り下ろしたもの、紅腐乳を好みの配合で作ります。
紅腐乳(ホンフールー)とは、豆腐を塩と紅麹で醗酵させた調味料で、チーズのような独特の味がしますが、これがまた激しく美味い。


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写真中央の白い板状のものは、聞いてもけっきょくなんだか分かりませんでした。非常に硬いものでこのままでは食べられませんが、鍋で煮込むとゼラチン質のように透き通ってベロベロになります。味は殆どありません。多分何らかの穀物の澱粉で出来た、日本の鍋で言えばこんにゃくに相当するアイテムのような気がします。
その右隣は日本の焼肉屋でも馴染みの深い、センマイですが当然羊の胃壁です。ほのかな羊の香りと心地よい弾力があります。生で食べたい衝動に駆られましたが前日激しい腹痛に襲われていたので止めておきましたw
その右隣の緑色の板状のものは、「海帯」読んで字の如く、即ち昆布です。

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これはですねぇ…アレです。私も最初何だか分からず、馬さんに聞いて直ぐに分かりました。馬さん曰く「これを食べるとギンギンになるぞ!」腕を捲り拳を立てていますたw
味は?といいますと、正直ちょっと食べ慣れない匂いがしまつ。二枚くらい食べればOKかな?という感じ。まぁ沢山食べてアレんなってもアレなんで…


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さて、やはり最期に〆で出てくるのは、やはり蕎麦と饅頭。この柿のような艶のある可愛らしい饅頭は、甘い練乳に付けて食べるのですが、それまでの唐辛子の辛味や、山椒の痺れに麻痺した舌に、無類の心地よさを与えます。饅頭といっても柔らかく蒸したものではなく、さしずめベーグルのようなしっかりとした物でした。


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さて、たくさんの羊肉や、エノキダケ、香菜、韮、昆布など香味野菜のエキスがタプーリと出た出汁に、最期、この蕎麦を投入!日本のように蕎麦粉の香りを楽しむということは出来ませんが、うどんでは出ないこの蕎麦の触感と、鍋汁のコラボレーションは実に見事で完璧というしかない。
「あ゛ーっ喰ったぁ゛ーっ!」というほかありません。前日凄まじい下痢に襲われたことなどすっかり忘れて堪能し尽してしまいました。
しかし中国に来て、こんなに「美味いっ!」と唸ったことは初めてです。また行きたい。。。


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お店の前に来た、熱湯売り。日本では納豆売りは来ますが、熱湯売りを見たのは初めてです。漂亮小姐が、お店のカラフルな魔法瓶に順に開水を入れていきます。ここではこういった商売も成り立つのでしょう。
つづく…
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2011/11/9  12:11

内モンゴル食事情偏  食い物

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さて、今回は内モンゴル食事情ということで、内モンゴルの郷土料理の数々をご紹介いたします。純粋なモンゴル料理ではなく、あくまで漢民族と共存する内モンゴルならではの中華ナイズドされた多様性のあるモンゴル料理です。

北京に着くとまず、ここは未来都市?と思うほど近代化が進み、恐ろしいほどの高層建築が立ち並び驚嘆させられるのですが、ここ内モンゴル巴林は他の地方都市と同じく、依然としてのんびりとした田舎の風景が其処此処に広がっています。そんな田舎でもかなり高級な部類に属すると思われる餐亭に、李社長が案内して下さいました。


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ご存知、「ショーパーロウ」茹で羊。骨ごとメッタ斬りした羊をただ茹でただけの料理。辛味味噌かガーリックビネガーをつけて頂きます。日本人は羊肉を臭いと倦厭する方が多いと思いますが、これを食べると羊肉の概念が根底から崩れます。絞めて直ぐで新鮮だからと言うこともありましょうが、それだけでは説明の付かない何ともいえない芳しいさわやかな香りが口いっぱいに広がります。臭いなどとんでもなく、とても良い香りです。羊の品種が違うのだろうか?ここ内モンゴルに来ると、正直どんな肉よりも羊が美味いと思えるのです。


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これは、見た目はちょっといけないモノのような感じがしますがw「羊の肝臓と血液の腸詰め」。羊の肉や肝臓のミンチに血液と香菜、香味野菜を練りこんで腸に詰めて蒸し上げたもの。どう表現していいか分からない味。美味しいのですが、ちょっとくどく重たい感じでした。


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羊の腎臓と脂身を素揚げにしたもの。これは見た目ほどオイリーではなく、脂身のジューシーさと腎臓のカリカリ感がとてもよくマッチしていて美味。塩味だけでしたが、素材の味を充分に堪能できる優れた料理だと思いました。腎臓の触感はスルメにも似ています。


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分からない。説明を聞いてもなんだか分からない料理でした。蕎麦ではなく何か蒟蒻なのか澱粉なのか分かりませんが、香草か何かを練りこんだ白滝のようなものにショウガ、唐辛子、にんにく、香菜を散らし酢醤油のようなタレを絡めたもの。名前も覚えられませんでしたwさっぱりして美味しかったです。


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これはもう和食そのもの。ワラビと油揚げの煮びたし。日本の伝統的郷土料理と言っても過言ではありません。東アジア共通のおっ母さんの味と言ったところでしょうか。ゴマ油で少し中華風になっていますが、非常に美味しかった。


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これ、蕎麦です。メンティアオと言っていましたが、間違いなく日本の蕎麦と同様の蕎麦粉です。日本のように生粉打ち物ではなく、小麦粉も半分以上入っていると思われますが、正しく蕎麦そのものでした。そして汁は羊出汁です。これに芹菜と言われる細いセロリが刻まれてはいっており、とても柔らかなふくよかな麺汁です。激しく美味。


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これは、インドやイスラム圏から極東アジアに至るまでの、広い範囲で食べられている、小麦を原料としたナンに相当するもの。ここではミエンパオと言っていましたから、パンということでしょう。小麦に塩、油を入れて練りこみ、薄く延ばして両面焼きしたものです。味はインドのチャパティーやロティーに似ています。主食と言うよりは付け合せのような感じ。やはり米所ではないのでお米のご飯は出てきません。
つづく。
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