2021/9/12

祝生誕100周年のJack Kirby、1968年のTHOR 154号 155号  アメコミ タイムマシーン

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昔のTHORを読みたくなってMycomicbookshop.com、Milehighから手に入れた1968年に出版されたTHOR154号、155号をレビュー。もうちょっと待てばMilehighの60%引きセールを使えたのに残念。アメリカでは昔のコミックブックが結構引っ張りダコらしいので、ここまで割り引くとは思わなかった。

筋書をStan Lee、画をJack Kirby、インクをVince Colletaがそれぞれ担当。

Kirbyは8月で生きていたら100歳らしい。今読み返してみるとAsgardの人々が細かく描かれていて感心する。それでいて月に1度出版されて、かつ他の作品も描いている可能性があるんだよな。この時代のKirbyの画はアクションの始まりと終わりの間にコマがない。テンポが速い気がするね。もう一つ、155号の1ページ目、1ページを使ってTHORが描かれている所謂Splash PageはKirbyの力が存分に発揮されている良いページだな。眼福。

添付画像はKirbyの描いた154号の表紙。彩色が単調なのが玉に瑕だが、THORの背景に描かれているのものは、古代エジプトの絵巻もののようだ。

粗筋から。邪神Lokiとの死闘の結果、Sifは大怪我を負い地球の病院に入院。Odinも眠りについている。一方Asgardには新たなる脅威が近づいている。止められるのはTHOR 、Loki、そしてBolder。

154号は何となく時間稼ぎの話が多かった。今のアメコミと変わらん。

その時間稼ぎの話の中で、高校だか大学だかを中退したヒッピー3人組に意見するTHORが面白いな。彼の言葉を借りてこの時代の若者にメッセージを送っていたんだね。言葉は違うけど、スラムダンクの諦めたら試合終了みたいな感じ。

“Let no living being disturb what lies within by order of imperial Odin.”と書かれている忠告を無視して封印を解くトロールのUlik。洋の東西を問わずこういう馬鹿チンが問題を引き起こす。無責任にも逃げ出しちゃうんだよねこいつは。

Ragnalok(神々の黄昏)が軽々しく使われ過ぎなTHOR。今回そのRagnalokを招くのはMangokなる怪物。それが何かカッチョ悪い。牛の顔とHULKの身体みたいなイメージ。しかしえらく強い。山をミサイルで崩して生き埋めにされたのに、意にも介さない。

155号の最後のコマのCliff Hungerは効果的だ。Mangokの3つの爪に首を掴まれ身動きできないTHORの図。

怪我の傷も癒えぬ内にTHORに呼ばれたSIFの台詞。”Whatever awaits us, Sif shall face it with thee.”勇ましいな。ところがだ、いざMangokの元へ一緒に向かうと思いきやTHORはAsgardに置いてっちゃう。そんなんだったら、地球に残しておけば良いのに。

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2021/8/29

Frank Miller節はこの時代既にあった、1982年のDAREDEVIL179号、180号  アメコミ タイムマシーン

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Frank Miller時代のDAREDEVIL(“DD”)をちゃんと読んでみたくて、御用達Mycomicbook.comから取り寄せたDD179号、180号をレビュー。

筋書と画をFrank Miller、画の仕上げをKlaus Jansonがそれぞれ担当。Jansonは彩色も担当している。凄い。見たことあるなと思ったら、1986年にDCから出版されたDark Knight Returnsと印象は変わっていない。DDの方がもう少し荒っぽいか。だけど、その荒っぽさが逆に力強さを強調しているように感じる。添付画像はMillerによるElectraの図。

まずは粗筋から。ニューヨークの市長に立候補したRandolph W Cherryh。彼を裏から支援しているのは暗黒街のボスKingpin。Cherryhの周囲を嗅ぎまわる新聞記者Ben Ulichは命の危険を感じDDに支援を求める。Kingpinが雇った殺し屋ElectraがBenの命を狙う。

いつものように、気に入ったシーンや台詞を書いていく。

まずはDD。特殊な放射性同位体を浴びた彼は五感が鋭い。それに加えて結構力も強いこと良いことがわかる。鍛えているのだろうが。400ポンド(181 kg)のバーベルを軽々と持ち上げている。胸の筋肉で上げているのならまだしも両腕だけで持ち上げそしてそれを投げている。かなりの力だ。

179号で足を怪我したDDだが、そんな彼でも3人の犯罪者を軽々とあしらったり、ワニを無力化したり、180号の最後には下水道の王者を倒してしまうのは凄いな。というより、足が痛くて松葉杖を使って歩いているにも関わらず、悪人を倒しに行くのか?この下水道の民はMorlocksとは違うのか。

CherryhのUlichに対する台詞。(その前に煙草を吸っていたら50歳まで持たないと言った後にね。)”You’ll never make forty-one if you don’t smarten up.” この話は1982年に書かれている。

179号の最終ページがまさにMiller節。暗がりの中で向きを変え逃げようとするUlichがコマ送りで描かれる。そして真ん中のコマでUlichにElectraの投げたサイ突き刺さる。そして、Ulichの後悔とも諦めともつかない台詞があり、完全な暗闇のコマで終わる。綺麗。

しかし、あっさりBenは180号で生きていることがわかる。なんだそれ。

テレビの画面を通じて選挙戦の進捗を説明しているのはもう一つのMiller節。もうこの時期にこの手法を用いているのね。

180号最終ページ。Kingpinの台詞。”But Murdock has a partner..an unimportant man who few will miss and none will defend.” Cherryhが市長となることを防いだDDに対する報復のために、DDの分身Murdockのパートナーを殺そうとしている。流石Kingpin。

181号を手に入れたのだが、まだ到着していないため。続きは来月。

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2021/7/11

米国の移民法に対する抗議、1988年のSpectacular SPIDER-MAN 137号、138号  アメコミ タイムマシーン

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1988年のSpectacular SPIDER-MAN (Spec)、137号と138号についてレビュー。

この話の背景として1986年に制定されたImmigration Reform and Control Actという法律がる。不法移民と知って雇用した場合の罰則や1982年より前に入国した不法移民の合法化が定められている。この話に出て来るMary Jane Watson (“MJ”)の友達Elviraは1982年以降に入国したため常に強制退去と隣合わせの状態。この話昔の話でも米国だけの話でもない。日本人にはピンと来ないかもしれないが、こういう状態の人は沢山日本に住んでいる。つい最近も拘置所で病死したスリランカ人の女性の事件がこの問題を浮き彫りにしている。

筋書をGerry Conway、画をSal Buscemaがそれぞれ担当。Buscemaがインクも入れている。添付画像は137号の表紙を採用。今回の悪人La Tarantulaの画。

粗筋から。Daily Bugle新聞社に働く中米からの逃亡者がLa Tarantulaに殺された。La Tarantulaは同じ中米の国からの別の逃亡者Elviraと彼女の家族の命を狙う。MJからの助けを求める声を受けたPeterはSPIDER-MANとして、Tarantulaに立ち向かう。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。137号から。ニューヨークに住む不法移民の少年たちに襲われたPeter。”I don’t know how I got into these things. But I know how to get out.” こう言って覆いかぶさってくる大勢の少年たちの輪から飛び出るシーンは、そのままギャグ漫画で使える。それか昔のアニメね。

137号の最終の方、折角La Tarantulaの一味から命を救った家族が移民局に拘束されてしまう。怒りを隠せないSPIDER-MAN。この話の怒りの矛先が上記の移民法。

最終ページで米国政府の人間と陰で手を組むLa Tarantulaの前にCAPTAIN AMERICAが現れる。次の話が読みたくなるな。ワクワクする。

この当時のCAPはSteve Rogersではない。しかし彼のコスチュームが象徴する精神は変わらない。そして移民局の拘留施設での彼に対する視線は彼が期待したものではなかった。Conwayのこの法律に対する考えがそのまま反映されている話だね。

最初CAPはLa Tarantulaと共闘してSPIDER-MANと戦うが拘留施設での体験や、La Tarantulaの嘘、汚い戦い方を見てそっぽを向く。この辺りは面白いな。あくまでも政府の依頼で動いているのでLa Tarantulaと戦うことまではしないのか。

Elviraは本国に送還されたが、世間の目もあり、本国であまり酷い扱いはされない。また米国でも政治的亡命者として申請が行われる。そんな妥協の産物で物語は終わる。それに対するPeterのコメントと、MJの応えが気が利いているので書いておく。”You have to settle for small victories.” “But It’s the small defeats that break my heart.”

この2話完結の話。長すぎず話も面白いので好き。しかしどうもSpider-senseに対する扱いが違うんじゃないかと思うシーンが2つある。まずは、自分に危険がないはずなのに、コスチュームを着ていないLa TarantulaにSpider-senseが反応する点。もう一つ。確かにCAPに気を取られているとはいえ、La Tarantulaからの攻撃にSpider-senseが反応しない点。都合が良すぎる。

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2021/7/4

映画ロッキーVを見倣って敵を打ち倒せ、1988年のSpectacular SPIDER-MAN 135号、136号  アメコミ タイムマシーン

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Sin-eater篇の最終話1988年のSpectacular SPIDER-MAN (Spec)、135号と136号についてレビュー。

筋書をPeter David、画をSal Buscemaがそれぞれ担当。Buscemaがインクも入れている。添付画像は136号の表紙を採用。135号の表紙はElectroでどうもしまらない。

まずは粗筋。前号でElectroに敗れたSPIDER-MAN。動けない彼を救ったのはSin-eaterことStan Carter。後に彼が出演したテレビのワイドショーにElectroが出現。しかしSPIDER-MANはElectroに立ち向かうことができない。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。135号。SPIDER-MANを助けたCarterの手にした銃を手放すよう促したSPIDER-MANに対するCarterの台詞。”You want this gun? Go to Toy’s r’ us.” 彼が手にした銃は玩具の銃。Toy’s r’ usは当然玩具店というオチ。このチェーンは米国では破産したんじゃなかったかな。こんな表現は既に昔のものになってしまった。

Electroがニューヨークの地下鉄の線路の上を滑っていく様は結構カッチョ良い。

135号の最終ページでは、ワイドショーの観客がElectroの電撃で怪我をするのを恐れ手出しができないSPIDER-MAN。彼に唾を吐いて退出するElectro。2号続いてElectroの勝利。ファンとしては見ていて辛い。

Peterを思い遣るMary Janeのシーンは、135号、136号に溢れている。彼女のユーモアが顕著なのは、Electroに敗れた記事を切り抜いた新聞をPeterに渡すところかな。Buscemaの画がここでも冴えている。

Peterは彼のパンチのお陰でCarterが吃音と歩行に支障が出ていることに責任を感じている。そんな彼にMJは映画ロッキーVを例えて心理的な障害物に打ち勝つようアドバイスする。(ロッキーV観てないんだよな。)

PeterはロッキーVに活路を見出すことに対し、”That’s like learning opera from Twisted Sister.”と評するのだが、本当にその作戦を後に使うことになる。Twister Sisterは80年代に活躍したハードロックバンド。つい最近ボーカルのDee SnyderがNetflixのドラマCobra Kaiに出演したのには驚いた。そして楽しかった。

心理的な障害物を指してa demonと言っているのも面白い。Carterは彼の別人格Sin-eaterを同じように a demonと言っているのが上手い対比だね。

最後にCarterはその悪魔を祓うために取った行動が興味深い。Davidの話の進め方は唸らせる。

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2021/6/6

Peter David節炸裂、1987年のSpectacular SPIDER-MAN 130号、134号  アメコミ タイムマシーン

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1987年のSpectacular SPIDER-MAN (Spec)、130号と134号についてレビュー。

130号の筋書きをBob Layton、画をJim Fern、134号の筋書をPeter David、画をSal Buscema、両号のインクをVince Collettaがそれぞれ担当。添付画像は130号の表紙を採用。134号の表紙があまりに地味なので消去法。Fernによるもの。この表紙は嘘を言っていないな。

粗筋から。Harry Osbornの命と引き換えに、SPIDER-MANにKingpinの帳簿を盗むよう強要するHobgoblin。帳簿は欧州のギャングが保有している。Kingpinも奪回すべく動く。134号では、Sin-eaterことStanley Carterが釈放された。彼に会ってムシャクシャは消えないSPIDER-MANがElectroと対決。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。130号から。帳簿の行方を探す機械をSPIDER-MANに渡した後のHobgoblinの台詞。”Harry Osborn will share your fate.” HobgoblinはSPIDER-MANとHarryに同じ毒薬を盛ったわけだが、これがどうしても腑に落ちない。Harryはともかく、SPIDER-MANは手袋をしているわけで、直接この機械を触っていない。

その後にSPIDER-MANはLizardの正体Curt Connorsの元に向かう。SPIDER-MANは何か困るとすぐ彼を当てにするね。

最後のページで、SPIDER-MANがHobgoblinに逃げられてしまう。それを見たKingpinの台詞。”You let him escape, didn’t you? Amateur.” KingpinがSPIDER-MANを見下していて結構楽しい。

続いて134号。2ページを使ってMary Janeが自分自身をカメラで撮影するシーンがある。カメラは固定されているので、背景は同じで全11コマ。最初は彼女しかいないのだが、Peterが後から近付いてきて彼女をカメラのフレーム外へと持ち上げるコマで終わる。本題とは関係ないが、Salの画力が冴えている良いシーン。

釈放されたSin-eaterを脅して犯罪を防ごうとするPeterに対するMJの台詞。”What. Are you some caped crusader?” BATMANを指しているのは明白で、そのちょっと後にBATMANの固有名詞も登場する。

DCの親会社Werner Brothersが制作するSupernaturalにもSPIDER-MANに関する言及は結構あり、こういうのは出版社の枠を超えた表現は結構ありなんだとあらためて感じた。

今まで苦汁を飲まされてきたSPIDER-MANに初戦で勝利を収めたElectroの笑みが可愛い。”You beat me in the past. 中略 Now we’re talking current events.” 電流のという意味と現在のという意味のcurrentを掛けた洒落。Peter David節だね。

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2021/5/30

なんちゃってコミコン2021 QuesadaとRomita Sr.のサイン本  アメコミ タイムマシーン

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月一回御用達Mycomicbook.comからアメコミが到着するのだが、送料を削減するため昔のコミックブックも一緒に送ってもらうことにしている。今回注文したのは2004年に出版されたWOLVERINE 20号(Enemy of State篇の第一話)にJoe QuesadaとJohn Romita Sr.のサインがついているもの。悩んだ末に買ってしまった。(言い訳はちょっとだけ割引になったから。)

この手のサイン本は、「なんだかな〜」なことが多く、これもそう。Quesadaはかろうじてこの本にEditor in Chiefとして名前が載っているが、Romita Sr.に至っては、どこにも名前が載っていない。前回買ったSILKにRomita Sr.がサインをしているのと全く変わらない。実際のこの表紙や中身の画を担当しているのは息子のJr.の方だから、SILKよりはましか。

実際のコミコンにRomita Sr.が現れ、そこにオイラが行き、サインを貰う確率は現在非常に低いので「なんちゃってコミコン」で我慢するしかない。

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2021/4/11

生誕35周年記念号のVenom篇、1992年のAmazing SPIDER-MAN 374、375号  アメコミ タイムマシーン

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1992年のAmazing SPIDER-MAN (ASM)、Venom篇をレビュー。374号、375号について。

筋書きは今回もDavid Michelinie、画をMark Bagley、インクをRandy Emberlinが担当。添付画像は当然ASM30周年記念の375号の表紙。背景は金色でキラキラしているのだがスキャナーで撮り込むと何かピンと来ない色になっちゃう。

粗筋から。子供の頃別れたPeterの両親(?)との関係が修復される中、彼らはVenomに誘拐された。SPIDER-MANは行方を探すためVenomことEddie Brockの過去を新聞社で探り彼に別れた妻がいることを知る。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。まず、Venomの何だか凄い怖い台詞。”We could kiss his beating heart just before we devour it.” 当初は単にSPIDER-MANへの歪んだ復讐心だけだったのに、異常な殺人鬼になっちゃったVenom。

Peterの両親にスケートを誘われたMay伯母さんの応え。”I have enough trouble trying to balance household budget. 氷上で体勢を保つのと家計の収支を均衡させるを掛けている。こういう言葉のあやが英語の面白いところ。

ASM 374号の後半部分はアクションまたアクション。見せてくれた。残念なのはSPIDER-MANが戦いのイニシアチブを取れなかったところかな。

続いて375号。SPIDER-MAN誕生35周年記念号で分厚い。残念なのはオマケの話が全然面白くないところ。そりゃそうだわな。限られたページ数でぐっとくるような話作れって方が無理がある。

PeterがSPIDER-MANであることを両親(?)は知らないわけだが、それにVenomが驚くだけでも楽しいが、その後の台詞。”We won’t tell you, either. It would only break your hearts.”もうVenomにとってSPIDER-MANは悪の塊。だからこそこんな台詞が出て来る。

中盤でJ Jonah Jamesonが雇ったWild PackがVenomを倒しに来るわけだが、この辺はページ数稼ぎだな。正直SPIDER-MANとの一騎打ちのはずが興醒め。

元奥さんのEddieに対する台詞が良い。”You’re what you chose to be, Eddie.” これって別にVenomだけじゃなくて、一般的に当てはまるケースは多い。ちょっと良い言葉だな。

最後はお互い干渉しないという紳士協定を結んで終わるところは解せないな。SPIDER-MANが憎いだけで一般人には無害。しかしそれは原則で、脱獄するために看守は殺しちゃうので、放っておいたら何しでかすかわからない。
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2021/4/4

何のためのSpider-Senseなんだ、1992年Spider Slayers篇、Amazing SPIDER-MAN 372、373号  アメコミ タイムマシーン

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1992年のAmazing SPIDER-MAN (ASM)、Spider Slayers篇の最終話をレビュー。372号、373号について。

筋書きは今回もDavid Michelinie、画をMark Bagley、インクをRandy Emberlinが担当。添付画像は373号の表紙を使用。彩色が良いのかなー。何か惹かれる表紙。

粗筋から。Peterの両親(?)がFBIの局員により連れ去られた。それを追うPeterだが、蜘蛛殺しロボット軍団に行く手を遮られる。Black Catの助けもあり、逃れるのだが、両親とPeterの命は風前の灯。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。その前に前号で出た巨大ロボットが複数の人物により操縦されていたと思ったが違った。操縦者は多重人格だった。ちょっと意外だったのでここに書き残しておく。多重人格者同士が争い結局自滅する辺りは、最初の頃のSpider SlayerがJamesonとSmythe博士の仲違いで自滅するのをなぞらえている感じがする。

ちょっとBlack Catのコスチュームがセクシーすぎる。良い子達が読んでいるのに。

オマケの話。突然現れた両親に関し納得出来ていないPeterに対して、死に別れた父親がいるFlashがお互い大人として向き合うチャンスだと諭している。Milgromの筋書が良いな。画がもう一歩なのが残念。

続いてASM 373号。前月のcliff hunger、食肉加工場でPeterが食肉の表面を焼くオーブンへと送り込むベルトコンベアーに載せられるシーン。1960年代のバットマン的展開だね。

悪いFBI局員は実は二重スパイだったわけだが、事件解決後にそれを揉み消そうと、本物のFBI局員が現れるのも面白い。また、Peterがそれを逆手にとって取引するのも良いな。

二重スパイを殴る時のPeterの台詞。”I’d have trouble pulling my punches against this slimeball.”生身の人間に普段は力を抜いて殴っていることが察せられる台詞。両親の命を危険に晒した悪人に対する怒りも感じる。

ちょっと気に喰わない点が二つ。出だしで表紙の色が良いと褒めたのだが、中身の色がもう一歩。サイボーグ化したSmytheの身体が肌色なのはどうか。強そうじゃないんだよね。

もう一つ、Smytheの秘密基地に潜入した際、突然彼とその部下に囲まれたSPIDER-MAN。ちょっと待て、何のためのSpider-senseなんだ。虎穴に入る前にわかるのがこの力でしょう。
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2021/3/21

Peter Davidの種明かし篇は見どころが沢山、1987年のSpectacular SPIDER-MAN 128〜129号  アメコミ タイムマシーン

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1987年のSpectacular SPIDER-MAN (Spec)、Foreigner篇をレビュー。128号〜129号について。これは買いそびれたAmazing SPIDER-MAN (ASM) 54LRを急いで読みたかったので一緒に買ったもの。

筋書きは今回もPeter David、画をAlan Kuperbergが担当。添付画像は128号の表紙を使用。Kuperbergは上手いんだか下手なんだかわかんない。良いコマもあるのだが、誰を描いているのかわからないコマもあって戸惑う。それから、Silver SableとBlack Catとの区別が付かないのもなにだな。これはKuperbergだけの責任ではない。

まずは粗筋から。Foreignerにアパートを爆破され激怒するBlack Cat。SPIDER-MANも彼に殺人犯の濡れ衣を着せられる。Silver SableはJ Jonah Jameson (“JJJ”)に雇われ、SPIDER-MANを捕らえようとする。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。悪人のコスチュームを作り、Foreignerに譲渡した若者に対するSPIDER-MANの質問とその応え。”Where can I find Foreigner?” “In a record store?” 今の若い人には二重にわかんないだろうな。これは悪人と1970年代から80年代に一世を風靡したバンド名を掛けている洒落。ダウンロードがない昔、音楽はレコードから聴いた。ちょうどこの頃はCDが出始めの年代だね。

Spec 128号の表紙にあるようにDAREDEVILがちょこッと出て来る。濡れ衣を着せられた彼を弁護すると提案する。しかしあっけなく断られ、DDも敢えて深追いしない。そんな彼の台詞”Peter and I have changed, perhaps neither of us for the better.”後半部分に前途に悲観的な彼の心が伺える。アメリカ人っぽくないね。

最近のASMに再度現れたSin-eaterがこの当時のSPIDER-MANを冤罪から救う手助けを行ったのは興味深い。

居所を躍起になって探しているSPIDER-MANを後目にBlack CatはForeignerをやすやすと見つけるのには笑える。そしてどうも電話越しにPeterを貶しているのは何故か。種明かし篇は次の129号。

Spec 129号には見どころが結構沢山ある。まずはFlashがBetty Brantを心配してPeterに助けを求めたことで、Black Catを取り逃がしてしまう。その時にPeterは”Why me?”と独り言ちるのだが、場面展開後の警察署でもこの台詞が使われる。Davidは本当に話の進め方上手だな。

Silver Sableが129号で急に仕事を放り投げるのは解せない。ただしちゃっかり経費を差し引いてJJJから貰った前金を返却するのは笑える。

Foreignerが実は強いっていう設定は結構良い。そして催眠術の名手なんだね。そして最後のサゲ(オチ)Silver Sableと元々夫婦ってのにはやられた。ギャフン級。

種明かしはそれだけじゃない。そもそも今回の事件Foreignerが仕掛けたのだが、Black CatもForeignerとSPIDER-MANに一泡喰わせようと仕組んでいたことがわかる。おもろい。だけど、焼け木杭に火が付いてSPIDER-MANに再度未練が出てきたこともわかり、ちょっと良い感じ。1987年と言えばちょうどMary JaneとPeterが結婚する年であり、それを盛り上げるための伏線だったりするんだよね。
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2021/3/7

Black CatとMary Janeの女同士の戦い、1992年のAmazing SPIDER-MAN 370、371号  アメコミ タイムマシーン

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引き続き1992年のAmazing SPIDER-MAN (ASM)のSpider Slayers篇をレビュー。中盤の 370号、371号について。

筋書きをDavid Michelinie、画をMark Bagley、インクをRandy Emberlinが担当。添付画像は370号の表紙を使用。Scorpionとの戦いの図。BagleyとEmberlinによるもの。

粗筋をサラッとお浚い。Tinkererのアジト前でSPIDER-MANは、ScorpionとAmoeba型ロボットと一戦を交える。次の号ではAmoeba型ロボットのそもそもの製作者Strommの弟子が服役している施設に出向いたSPIDER-MANとBlack Catが巨大ロボットと戦う。

気に入ったシーンや台詞等を書き綴る。何もせずにいることに嫌気がさしたBlack Catが復活したのは必然か、偶然か。個人的にこのキャラが好きなので嬉しい。また、彼女がSPIDER-MANを助けるべくリーダーシップを発揮するシーンはさらに好印象。Scorpionの尻尾の電流でAmoeba型ロボットを仕留め、さらにScorpionも電流が逆流して一石二鳥の図ね。

当たり前なんだけど、あくまで悪役の中心はロボット軍団で、前回のElectroや今回のScorpionは端役なのは残念だね。

オマケの話での、Ben伯父さんの墓前で死んだ彼にPeterの明晰な頭脳を誇らしい気持ちでMay伯母さんが語った台詞が一番良かった。”He (Peterのこと) had Richard and Mary’s intellect that was sure. But Ben, he had your heart.”

続いてASM 371号。Black Catのアクションシーンに1ページまるまる使われている。眼福。Bagleyの描く彼女は凄く良いな。

新しいコスチュームを見せびらかしに来たBlack Catにお冠なMary Janeに対するBlack Catの台詞。”Looks like I’m not the only cat around here!” 女性同士の喧嘩をcat fightというがそんなニュアンスがこの台詞に込められている。

Peterがワザとなのか、突然現れた両親に過去の出来事を話し、両親と思われる人物のボロを引き出しているシーンが良いな。Michelinie初めからこの両親が怪しいことを匂わせている。
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