〜気の向くままに釣行記など感じた事を書いてみます〜
2007/2/28
「最北の地での憂い」
先輩からヤスさんどう思う?と聞かれた
天塩川上流域のダム建設計画・・
http://www.sanru-river.com/
実際北海道の河川で整備工事をした上流域などで
イトウを始めとする在来種の魚の産卵床の減少
孵化後の稚魚の一時的退避場所、餌場の減少などから
成魚手前の個体が、激減した事例と言うのは
随分前に何かで読んだ事があります。
日本の河川整備とは、3面護岸や2面護岸がメインです
下流域に自然が色濃く残っていても
本当に川幅が1〜2m程度の上流域の川の整備が
大きく影響しているという話でまとめられていました。
200kmからなる天塩川支流のサルン川もダムがない数少ない川で
(天塩川の他の支流に堰やダムはあります
http://homepage1.nifty.com/hhmm/masu/sub-mtext/dam.html)
川を遡上するサクラマスにとってサルン川は貴重な河川であり
遡上数は数千匹で国内最大級と言われています。
ヨーロッパの河川工事では
自然を取り巻く環境や人々の多岐に渡る意見を
河川工事に取り入れてるケースを見ました
様々な行政、大学教授を始めとする専門知識人
地元住民、建設会社、漁協、釣り人
石組み専門のオペレーターなど
日本ではコストも時間も掛かるのでやらないでしょうねぇ
意外だったのはヨーロッパは自然が少ないという認識が一般的な事
従って万が一、何かしら工事をしても
なるべく自然に近い状態で工事し
例えば堤防工事をすれば土留めをしっかりした上に
厚く盛土し元々生息していた樹木を戻す
失われた緑は自然に近い状態で必ず復旧する・・
日本で言ったら「これ?完成???」と
きっと言われる状態に見えるかもしれません
造成が必要な場合、付近にボサボサの野原を作ったりします
でもこれが日本にも必要なのかもしれませんね
日本で言う整備されすぎた完成形でなく
自然に任せ未来永劫に変わり続ける形
河川工事も日本では手抜きか?と言われそうな
荒い石組み・・自然の河川の流れに任せ石が組み合わさり
流れの緩急が産卵床になる砂礫のチャラ瀬を作る
工事のビデオ見ましたが計算ずくで驚きでした
もっとも日本の急な地形を含んだ環境と
外国の地形を含んだ環境が必ずしも同じ工事内容で
上手く行くとは思ってませんが・・
僕自身は川を堰き止める行為自体は
自然を大きく改変する事なので
どんな大事な話や上っ面な話を持ってきても
改変する事実は変わらなく
元に戻せない事例はしっかり熟考が必要と感じています。
2004年一級河川第一位、日高の沙流川
その沙流川の二風谷ダムでは
魚道を作った事によるサクラマスの遡上と下りを確認出来たようですが
ダム上流域でのサクラマス及びヤマメの生息数が
激減したと言うデータもあります。
反面こんなデータも
「平成15年8月の台風10号で流木が大量に発生。
流木は、二風谷ダムに流れ込み、ダムは約5万m3にも及ぶ大量の流木を補足。
流木による下流での洪水被害の増幅を防いだ。」
その流木が発生したのは台風のせいだけか?は置いておき
ダムの治水・利水効果があるか
それは必要を急ぐ事か僕はまだ判断出来ません。
ただきっと急ぐ事ではないと思います。
元に戻らない環境を作る(自然を壊す)なら
もっともっと掘り下げ考える必要があるでしょう。
先日書いた南極北極の氷が溶ける・・もう戻れないと言う事実
壊れた自然は還らない・・
上記のヨーロッパの河川工事から得られる事は
多方面からの意見を集約する必要があると言う事。
土砂の流入が著しく砂防ダム的機能を果たした、
ダムの湖底に溜まったヘドロを除去する為に下流へ一気に放出し
流入河川がある海に対し大打撃を与えた北陸のケース
記憶に新しい長良川の河口堰や有明海のゲート
二度と戻らない事例は多くあり
その反面治水・利水が必要な地域が存在するのも事実
治水・利水・環境の調和が取れていれば問題はないのですが・・
最北の地で起ころうとしているこのダム建設は
これからの北海道の自然改変の序章であり
今後の日本を左右する事例なのかもしれません
美しい日本になるのでしょうか。。。
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