今日は、昨日に引き続き、今年の長崎くんちの踊町の紹介をしたいと思う。
第四番 本石灰町
本石灰町は、油を精製する石灰を扱うところが集まった町で、最初「石灰町」称されていたが油屋町を挟んで、今石灰町、新石灰町が出来たので「本石灰町」となった。諏訪三神の一柱である住吉明神は、この町の尾崎に在った。
傘鉾は赤染め潮瀬羽二重にアニオー行列を刺繍で再現房は組紐平緒に玉を鏤(ちりば)め四本で東西南北を表す。飾(ダシ)は、御朱印船主荒木宗太郎が豊臣秀吉より初めて御朱印状を受けたことから秀吉が戦いに向かう際使用した印千成瓢箪に因み大小の瓢箪一対を台上に載せる。又正面に朱印状後面に安南(ベトナム)側から出された交易の保証書金札を配す。
出し物は、「御朱印船」で、御朱印船主荒木宗太郎は安南国国王の信篤く、王族の娘を妻に迎えて帰国した。その時の華麗な行列のさまを、のちに本石灰町居住の荒木家から諏訪神事の演じ物に出した。世にこれをアニオーさんの行列と称した。本石灰町ではこれを昭和45年に御朱印船として復活した。荒木宗太郎は、オランダ東印度会社の社章である丸にアルファベットのVOCを上下逆にして自船じるしとした。
第五番 丸山町
昔の三大花街の一つである丸山町。小説「長崎ぶらぶら節」の舞台となった町として一躍有名になった町である。今年41年ぶりに参加。
傘鉾の垂れ模様は、塩瀬羽二重に三社紋金糸縫である。飾は、朱塗の台に金色丸額を配し丸山町の町名を記す。
出し物は、本踊りで、長唄「百夜草祭禮花笠」を披露する。
第六番 万屋町
万屋町は、始めの頃は、鍛冶屋町と称したが、寛文12年本鍛冶屋町となり、延宝6年萬屋町となる。
傘鉾は、長崎市指定有形文化財の指定を受けており、垂の模様は、長崎刺繍の魚づくしで、飾は、角樽二組重ね鰹節七五三連である。
出し物は、「鯨の潮吹き」で、安永7年より奉納されている伝統ある出し物である。
鯨の潮吹きは唐津呼子浦の鯨組頭中尾甚六が伝えたとされ、約二百三十年の歴史がある。長崎古来の食文化から生まれた出し物である。素材は昔ながらの竹を使用している。
10月にはいると、諏訪神社の神事も始まり、3日の庭見せ、4日の人数揃い、そして、7日からいよいよ本番を迎える。
(参考資料)
長崎くんち 踊町地図(長崎くんち塾)
平成18年度 長崎くんちパンフレット
長崎くんちの栞(長崎伝統芸能振興会)

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