今日は、幾分寒さは和らいだ。ラ・ニャーニャ現象が起きている今年、今度の冬は厳冬も予想されるという。去年は記録に残る暖冬であったが、今度の冬はちょっと心配である。
さて、茶道などで用いられ、今や和菓子として知られている砂糖菓子・有平糖。実は、カステラと同じく南蛮伝来のお菓子で、日本最初のハードキャンディとも言える。

現在の有平糖(
楽天市場・京都お菓子の部屋で売られているもの)
有平糖はポルトガルのアルフェロアという糖蜜から作られる茶色の棒状の菓子が原型となっていて語源ともなっている。ポルトガルの宣教師たちによって長崎を中心に伝えられたという。宣教師たちは、布教する時には、ぶどう酒を配っていたが、お酒を飲めない人のために有平糖を配って、興味を惹いたそうだ。
ポルトガルでは、有平糖を教会にお供えし安産や家畜の成育を祈願したという。そして日本に伝来してからは日本でも教会に供えられるようになった。禁教令により教会が無くなっても、有平糖の製法は伝えられ、文化文政のころには有平細工(アルヘイ細工)として最盛期を迎えた。長崎では細工菓子と呼ばれ、くんちの庭見せや結婚式の引き出物に用いられることとなった。
長崎さるくで、まち歩きを楽しくするために設けられている「さるく見聞館」の一つに、
有平糖見聞館として、お店を公開している「
千寿庵 長崎屋」がある。昭和4年(1929)創業の和菓子専門店で、有平糖の歴史、製造工程、道具などが展示されている。「
千寿庵 長崎屋」では、ネットで購入もできる。
甘くておいしく、季節ごとに彩色をほどこし、細工をこらし目でも楽しませてくれる有平糖。南蛮から伝来し、教会ゆかりのお菓子が今や日本の食文化に取り込まれてしまっているのは、日本人の器用さと食にも美を追求する感性の豊かさが根底にあるのであろう。
参考サイト
長崎文化ジャンクション 長崎文化百選
参考資料
「広報 ながさき」2007 10月号 長崎市広報課
下記ランキングをクリックしていただくと更新の励みになります。
人気blogランキング
お菓子のお取り寄せは、
楽天市場をぜひご利用ください。

0