障害者ものSF第2弾。
あるようでないんじゃないか? かたわが主人公って。
悩みの度合いのデフォルメとして、主人公が障害者だという設定はうまいと思う。また、小説でしか成立しづらい主人公でもあろう。『ノートルダムのせむし男』のような「怪物に生まれてしまった人間の悲哀」ではなく、主人公のもつ障害は、あくまで「青春の悩みの極端にデフォルメされたもの」としての位置づけだから、字面通りにビジュアライズしてしまうわけにはいかない。やったとしても、『ノートルダム〜』にしかならないだろう。
キャラクターの立て方は実にうまく、冒頭読んだだけで、前作でずっと気になっていた女性キャラクターが重要な位置で、しかも「こうなったらいいな」というポジションで再登場していて、喜ばせてもらった。
しかも、単に読者の要求を実現するだけでなく、そこにあらたな問題を入れ込んで、次なるドラマを呼び込んでいる。なるほで、本国で売れるわけだ。
昨今の日本人向けとしてはもうちょっと、内面描写を(ばかにでも)わかりやすく描いてくれるといいのでは、と思うが、2巻目までくると、読む側にもキャラクターのひととなりが脳内に描かれてきているから、そのへんも徐々に気にならなくなってくる。
4月29日
今日もおでかけ。

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