ねんどさんを作る
メタルさんのもとはねんどさん。
つまりメタルになる前は、粘土で原型を作っているわけです。
オーブン粘土の仲間である「グレースカルピー」で作っています。
このやり方は原型師のsoloさんから教わった「solo式」をちょっとだけアレンジしたものです。
その特徴は、
○芯(骨組み)がいらない
○片面ずつ作る
○納得いくまで作業できる
というところでしょうか。
その様子を、「野盗(両手武器)」の制作過程で見てみましょう。
1)台座に粘土の固まりをもりつける

ペットボトルのキャップに、粘土の固まりを盛りつけます。
これは作業中の持ち手になると同時に、ミニチュアの水平位置を確認する基準になってくれます。
本来の「solo式」ではこういう台座は使いませんが、持ち手があるのはやっぱり便利です。
また、ペットボトルのキャップなので、ドライヤーなどで仮焼成するさいに、ペットボトル本体につけてしまうと、手に火傷をせずに存分に温められるのも利点です。
逆に弱点は、この台座より大きなミニチュアは作りづらいことがあげられます。同じ特徴をもった台座に使える素材って、いまいちこれというのがないですからね。
2)ポーズを決めていく

レリーフを作るような感じで固まりから、かたちを作っていきます。
芯を入れていないせいで、ここでいくらでも試行錯誤ができます。
いえ、もっと先の作業段階でも、気に入らないとなったらさくっと要らない部分を切ったり、ポーズ換えができたりします。
これは「solo式」の大きな特徴です。
今回は両手で得物を構えているというバランスの取りづらいポーズなので、このやり方なら楽ができます。絵画的な素養がなくても、見たままで「おかしいな」というところを直していけばいいわけですから。
※ちなみにこの写真から、最終的にはぐぐっと腰を右にひねったポーズになっているわけですが、これは本当に腰のあたりを手でぐぐっとひねってポーズ換えしたもの。芯なしで、柔らかいグレースカルピーを使っている工作法ならではの技ですね。
3)片面だけどんどん作っていく

こうして、芯なしでどんどん作っていくわけですが、グレースカルピーは焼成前にそんなに強度のある素材ではありません。
そこで、「片面だけ先に作り込んでしまって」、残りはあとから、という2段階の工程をとることにします。
この2段階作業も「solo式」の特徴です。
ポーズが「これでよし」というところまで固まったら、今度は服を着せたり、細部を作り込んだりしていきます。
片面といいますが、強度の許す限り背中側に回り込んで作っていきます。
――続く(たぶん)
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