庵野×樋口コンビによる新ゴジラとか。
一報を見て、その昔押井守監督が『ルパン3世』の制作にとりかかったときのことを思い出した。
氏より上の世代のスタッフは、新たなルパンにいろいろ可能性やできることがあるという意欲を感じ、表明してくれたものの、逆に氏より若い世代のスタッフは、「なんでいまさら」「いまルパンを作ってなにができるの」という意見だったという。
この世代差は作品の性質にたぶん顕著に現れるもので、もしゴジラに対して「過去のもの」という以上の思い入れがないスタッフが手がけた場合、それは結局パロディの範囲におさまっていく。
たとえば、「キムタクヤマト」や『天体戦士サンレッド』や『ガンダム ビルドファイターズ』……。
出来不出来はあるし、ヒット作もある。けど、共通しているのは「根本的にはパロディである」ということだろう。
パロディだからいけない、ということではない。面白い映像作品なら、別にパロディでも歓迎ではある。
だが、それはオリジナルなヤマト、オリジナルなヒーロー、オリジナルなガンダム……ではやはりない。
庵野秀明、樋口真嗣両氏は、ゴジラというアイコン、特撮という映画ジャンルに、可能性や意欲を感じるたぶん最後の世代なんだろうと思う。
そういう意味ではベストというか、ほかに選択肢のないチョイスだ。
彼らは、パロディ的な場面が入れ込まれていたとしても、「オリジナルなゴジラ」をつくろうと格闘してくれるに違いない。
その意味で出来栄えに期待はしているが、しかしこれを日本の映画製作環境でやらなければならないふたりにはもう同情しかない。
ハリウッド並とはいわないまでも、せめて10倍の予算をあげられたらなあ……。
最後のゴジラ世代が作る、おそらくは「最後のオリジナルゴジラ映画」になるはずだから。
で、これほんとにほんと? 4月馬鹿じゃなくて?

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