監督のピーター・ウィアーは「トゥルーマン・ショー」を撮った人でもある。あれも泣いたなあ。
舞台は1959年。バーモントにあるウェリントンは、東部の名門大学への高い進学率を誇り、「伝統」「名誉」「規律」「美徳」を四柱とする全寮制の名門進学校だ。英語の教師が引退し、ウェリントンの卒業生だという教師、ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が新たに赴任してきた。彼は破天荒な授業を通して生徒たちに詩の美しさを教え、人生は素晴らしい、いまを生きよ、と説く。キーティングに惹かれた一部の学生は、彼が学生時代に作っていたという「死せる詩人の会」の活動を復活させ……。
「いまを生きる」は映画中の台詞から。原題は”DEAD POETS SOCIETY”(死せる詩人の会)。ロビン・ウィリアムズはいつも変わった人間を演じるなあ。わたしの好きな俳優のひとりである。
教師も親も、いかにもWASP。保守的なパワーエリートを作り出す学校では、キーティングのような教師は邪魔なのだ。生徒に、自分はどう生きたいのか、などと考えさせてはいけないのだ。
悲劇だ。しかし、わずかに希望が残る。それが素晴らしい。さすがにアカデミー賞脚本賞を受賞した作品だ。ねえ、あなたは机の上に乗ったことがある? 電球を替えるときに乗った? 人が机の上に立ったのを見て感動したことは? ふつうしないよね。この映画を観た人は、したと思う。
不思議に思った方は観てください。
ニール・ペリー(ロバート・ショーン・レナード)
トッド・アンダーソン(イーサン・ホーク)
脚本:トム・シュルマン
撮影:ジョン・シール
音楽:モーリス・ジャール
監督:ピーター・ウィアー
日本語字幕:月橋凌子
1989年、アメリカ。

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