ある日パパと二人で
語り合ったさ
この世に生きる喜び
そして悲しみのことを
と口ずさんで、ふと、傍らに居た良人に話しかけた。
「この曲さー、いい歌だと思うんだけど、なんだかこのあと、両親の離婚だとかサナトリウムに居るお母さんが死んでしまうとか、そういう重たいことが起こりそうなイメージを抱いちゃうんだよね」
すると良人曰く、
「あれ、知らないの、4番でお父さんが死んじゃうよ」
「うっそ、3番までしか音楽の本に載って無かったよ!」
インターネットで検索してみると、なんと7番まであった。そして正確に言えば、
その朝
パパは出かけた 遠い旅路へ
は5番だったし、これは死出の旅ではなく、「戦争に行った」という説が有力らしい。
なんにしても、明るいメロディの曲に重い歌詞を載せたものだ、と思う。7番まで載せている教科書はほとんど無いだろうし、明るい歌だと誤解したままの人は沢山いるのでは。わたしが重苦しい印象を抱いた理由は、幸せに暮らしているときには、生きる喜びや悲しみについて深く考えることはあまりないだろうと感じたからだ。考えすぎだと思ったのに。

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