わたしはC言語とかサッパリ分からない。
昔、先輩が言っていたから、というだけの理由でうっすらと
「電子技術知識と技能を有し、いいことをするのがハッカー、悪いことをするのがクラッカー。よく混同される」という程度に認識していた。
川端裕人『The S.O.U.P.』(平成2004年、角川文庫。単行本は2001年)を読んで、自分のなかのハックの定義が変わった。作品から引用するならば「ある状況を、ちょっとした努力をすることで、よりよいものにする。そして、その成果をみんなで共有する。そんな感じのニュアンスなんだ」
作品に感動した後で、文庫版謝辞に、ハッカー関連サイトへのゲートウェイとして山形浩生のウェブサイトを利用させていただいたと述べられていたのが多少複雑だったが。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いでもなかろう。業績は業績だ。
『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞になり、新聞に書評が載ったのを機会に、この作家を知った。『The S.O.U.P.』をブックオフで手にとって、面白そうな匂いを感じてカゴに入れた。
9.11を経た後の作品
『竜とわれらの時代』もぜひ読んでみたい。
もっとも感動したのは別のポイントなので、それについては後日ゆっくり書きたいと思う。
とにかく、いい作品だった。

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