今日は休日ですが、現場作業が忙しいために貯まっていた事務作業に精を出しました。午後には、高校時代からの友人から「久しぶりに合わないか」との連絡をもらいました。
隣町の建設会社重役を務める彼の口からは、厳しい経営事情が語られました。民需が伸びず、公共事業の建築需要も厳しい状況下では、今まで通りの形態では生き延びることは難しいでしょう。自分の代で会社を閉めることも考えていました。
地方の政治が硬直していることも嘆いていました。自治体のトップに信頼を置けず、不満を持っているのですが、物は言えない。出口の見えない建築業界の苦しみをとつとつと語ってくれました。
私が美浜町議会議員を2期で辞めたことについても、不満を言いました。「おまえのような正論をしっかり言うやつは他におらん。おまえの身の処し方には、自分としては不満がある」というものです。
「ワシは、性格的には情が濃い。職場で苦しんでいる人と出会うと、放っておけなかった。しかし、組合運動に挫折し、苦しみながら、市民運動に参加することで自分をリセットした。会社以外の世界で自分を主張することで生き甲斐を感じることができた。会社にいて、昇進も転勤も断り続けた。30代半ばで、課長という甘い誘いも受けたが、断った。今は、森と暮らすどんぐり倶楽部という森の事業に挑戦を始めて、むちゃくちゃ楽しいと感じている。自分で企画し、仲間と相談し、行動に移し、うまく行かなければ責任をとる。こういうことが、ワシにはすごく新鮮で、生き甲斐になっとるんや。議員8年間で影響力を付けたこともあるが、そんなことよりも今の方が遙かにたのしいんや」と私は応えました。
「うらやましい」というのが彼の感想でしたが、私の事業が未だに厳しい状況であることを心配し、議員でいることの方がよかったのにとの親心でもありました。私の表情が生き生きしていることに安心してくれましたが、私への理解がいまいちのようにも思えました。
5カ年計画を終えて、来年から事業の成長を促す新5カ年計画に入るのですが、「事業ってものはそんなにうまくいかないよ」という彼の言葉に、私は何度もうなずきました。今は、「ありがとう。慎重に、気を引き締めて、がんばるよ」と、彼の思いを受け止めたいと思います。

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