事業を始めるに当たって、どういう組織のもとに事業を乗せていくかを考えることが重要です。収益事業であるのか、NPO法人でなおかつ収益事業を含むのか、公益事業のまま推移させるのか、そこの所を明確にすることが必要です。
どんぐり倶楽部は、森の事業を小さなビジネスとして自立させ、地域の若い人を一次産業へ誘い込むことを目標としています。そして、そのプロセスは私にはとても魅力なのです。長いこと大きな会社でサラリーマンを続け、転勤も昇進も断り続けた者にとって、自分で考え、自分で実行し、その責任を自分で負うというシステムは、すごく新鮮です。
ですから、NPO法人で行政からの仕事を期待することなどは、あまり関心がありませんでした。NPO取得を友人から勧められたこともあったのですが、私はきっぱりと断りました。
もちろん、行政の支援によっては有効な形が出来る場合もあります。私たちが臨む方向で行政を引き込む企画なら、是非乗ってもらいたいのですが、行政にそこまで期待することが間違いのような気もします。時間を掛けて、自分達でそういう形を作らなくてはね。
収益事業を行うということは、収入・支出を適正に申告し、税を支払うということです。これを意図的に怠れば「脱税」という反社会的行為になります。日本の商法上のルールを守らないということですね。
どんぐり倶楽部も痛い目に合いました。会計制度を全く知らないままに、指導を受けたままを行政に申告していたのですが、税務署の指摘ですべてをやり直されました。さかのぼって税を徴収されました。
この痛い経験があって、会計の大切さも実感できました。私が関わってきたある事業も、どんぐり倶楽部の間違った経験を、意図的に行おうとしている節があります。本音を言うと、この点をいくら指摘しても変わろうとしなかったので、私は理事をやめたのです。この文面だけでは分かりにくいでしょうね。でも、あまり書いてしまうと問題が生じそうなので、不要領のままでおかせて頂きたいと思います。
しっかりした意図と、しっかりした組織体のもとに事業を企画することが、その事業を伸ばしていくのだと私は思っています。

0