とても自分たちの力では止められないと思っていた原発が、福島事故を契機に、がたがたと崩れ始めています。
今日の中日新聞一面トップでは、規制委員会の「もんじゅ運営交代勧告」として、原子力機構によるもんじゅの運営は「安全が保てない」と報道されています。
もうずいぶん前のことですが、有る場所で、現役の原子力安全保安院の方と秘密に意見交換をしたことがあります。
もんじゅに関する件では一致しました。「もんじゅは、軽水炉を維持させるためのまやかしではないか。あんな物、絶対に安全に運転できませんよ」と言いますと、「私もそう思います」と答えられました。
電力会社にもお荷物で、経済産業省官僚も「うまくいかない」と思い、政治家達の多くも似たり寄ったりの考え方であることは、容易に推測できます。
「もんじゅを別の組織が安全に運転するべき」という勧告は、「無理な勧告」であることは明らかです。原子力機構以外の専門家組織はありません。実質的には「廃炉勧告」なのですが、さて安倍政権はどんな嘘八百を持ち出すか。
平行して、高浜3・4号機の運転さし止め仮処分の審議が打ち切られました。福井地裁の裁判長は、最高裁のエリートが送り込まれたと囁かれていますが、そうであれば、ひっくり返りますね。
彼は、高浜原発3・4号機の安全を判断すると言うより、運転さし止めを命じた福井地裁の判断を覆すために送り込まれたと考えられるからです。
それでも、これらの事態は、原発の明白な落日です。この流れを止めることは出来ません。来年4月の一般家庭までを含めた電力自由化は、新たな戦線を生み出します。電力消費者達が原発の電気を選択しない運動です。
自由化とは、企業が消費者と正面から向き合う制度です。事故を起こしても誰も責任をとらずに過ごせましたが、これからは、電力消費者がそういう会社を拒否します。
美浜町の原発は近いうちに3基とも動かなくなるでしょう。美浜町においても、それに備えて、新たな旅立ちを求められています。

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