40年を超えて、想像を超える苦労をして、原発批判を続けてきました。立地地域では、何をしても、負けて負けて負けて、負け続けてきました。福島事故が起きるまで、原発を止めることが出来ませんでした。
福島事故が起きてなお、再稼動を許し、金まみれの原発政治を変えることはできませんでした。
私たちがやってきたことに何の成果もなかったのか。と、問いかけてみました。ありますよね。原発を作るメーカーをやっつけたことです。新規に原発を作らせなかったことです。福島事故以前でも、1基か2基の建設を許しましたが、後は作らせませんでした。
メーカーというのは、原発を作り続けなければ、破綻します。たとえば、トヨタ自動車を考えてみましょう。トヨタ自動車が、新しい車を作ることが出来なくなり、過去に販売した車のメンテナンスだけで生きて行かざるを得なくなったら、確実に破綻します。
東芝、三菱、日立など、日本を代表する重電部門の会社は、息も絶え絶えです。東芝は、アメリカの原発メーカーを高値で買い取り、経営が悪化しています。東芝の医療部門は稼ぎ頭ですが、それを売らなければ経営が成り立たないほどに追い込まれています。
三菱重工が製作したアメリカ電力会社(サンオノフレ原発)の蒸気発生器が故障し、その電力会社から三菱重工が1兆円近い損害賠償を求められています。当然ですよね。
日立もよく似た状況にあります。そういうメーカーの息の根を、原発を増設させないことで、私たちの運動が止めつつあるのです。
東京大学、京都大学の原子力工学科がなくなりました。システム量子工学科などと名前をつけて、細々と研究を続けています。優秀な学生が集まらなくなったからです。ですから、原発を維持することは出来ても、コア技術を開発することは不可能になったのですね。
原発は巨大技術で、高コストで、被ばく労働を前提とし、常に事故・トラブルと直面します。原子力工学だけでなく、機械工学、電子工学、材料工学、地震学など、幅広い領域を必要とします。負の側面を持つ原発に、若い人たちは拒否感を示しているのですね。
こんなものにこだわり続ける安倍自民・公明党政権。終わりが見えているのに、その利権を維持し続けようとする安倍利権政権。この政権の後には、確実に終わりが見えてきます。

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