![アレクサンドリア [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51sIC4YC2uL._SL160_.jpg)
「アレクサンドリア」 アレハンドロ・アメナーバル監督,レイチェル・ワイズ,マックス・ミンゲラ,オスカー・アイザック,マイケル・ロンズデール出演(スペイン,2009)。映画。
4世紀のエジプトのアレクサンドリアを舞台に,女哲学者(天文学,数学に秀でる)ヒュパティアがキリスト教徒に惨殺された事件を描く。
史実を脚色した映画ですが,キリスト教社会からこういう映画が出てくるというのがすごいですね。また,ギリシャ・ローマフリーク的には,アレクサンドリア図書館を取り上げたというだけで必見の作品になっています。
ただ,映画として見るとどうか。女性科学者の惨殺という結末なので映画として描くには捻りがいります。本作では,彼女に魅入られる弟子や奴隷たちを通して彩りを与えようとしたため,人物本位の描き方になりました。でも,こういうのって,何となく嘘っぽくなってしまうんですよね。
キリスト教徒による虐殺という一種センセーショナルなテーマなので,本来は描き方が難しいと思うのですが,そういう悩みはあまり見えず,シンプルに邪悪な勢力みたいな描き方になってしまっていて,宗教的には無色な自分としても,どうかな?と思ってしまいました。
天文学って確かに興味深いよなーとか,当時に思いを巡らしていろいろと考えることができるのはよいのですが,映画としてはもう一つといったところでした。

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