いやあー本文105頁の小冊子といっていい本なんですが,まだまだ書くことがあります。
後半は,再開された朝鮮通信使。あれだけ朝鮮半島にやっておきながら,再開はもう無理でしょうと思っていたら再開できましたね。
ここいらへんは,先の戦争がありながら文化交流を図っている現在の日本と韓国の関係を思い起こさせますね。
しかし,対馬藩,国書の偽造(変造)までしちゃうんですから,友好のためといってもいいのかそんなことして。しかし,それが分かっても,まあ結果オーライで許しちゃう徳川幕府も度量が広いですね。
また,朝鮮側も王の陵墓を荒らした犯人を捕らえて渡せと要求したことに対し,日本側から年齢からして辻褄の合わない二人が送られた(おそらく若いんでしょうね。その時は,生まれていなかったとか。)ことに対しても朝鮮側は特に追求せず。
いやあ,ここいら辺は現代政治においても参考になるのではないでしょうか。
朝鮮通信使の来日が,一大イベントだったというのは,面白いですね。馬の曲芸乗りの人や有名な医師,文人までやってくるというのは凄いですね。皆,通信使の人に書を書いてもらいたくて群がったというのですから,現在の韓流ブームに近いものがありますね。
通信使の格好をした人形を作ったりして,まあヨンさまの人形作っちゃうような感覚でしょうか。
前半の朝鮮侵略との対比で,ほほえましくて笑顔が出ますね。
接待の様子も出てきます。広島藩の豪華な料理を見ると,チャングムファンとしては,明の使者を迎えたチャングムたちを思い起こしてしまう訳です。
この後,朝鮮通信使の廃止とともに国粋主義の流れが強くなり,再び朝鮮への侵略・併合の流れに行き着いていきます。
ということで,確実にいえるのは,現在の韓流ブームを壊してはいけないということ。
対馬藩の外交を担当した雨森芳洲は,「日本と朝鮮は平等互恵と誠信を基本とした外交を行うべき」と説きましたが,その重要性は今も変わっていません。

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