本日付けの朝日新聞の「私の視点」で,コスタリカ元大統領のオスカル・アリアスさんが,憲法改正に関し,9条の改正により軍事力の保持を肯定すれば,軍事費が増加してODA予算が削減され,外国援助の削減に繋がるという視点から再考してもらいたいと主張している。
昨今の対テロ戦争の強調により,日本の軍事費も増加傾向にある。氏は,アメリカの対外援助,対GDP比が他の先進国より低いことを挙げ,日本の憲法改正(軍事力保持の肯定)は,発展途上国への経済的援助削減につながり,人道的支援に必要な予算を減らしかねないとする。
普段,ODAと9条の問題を関連づけて考えていなかったので,ちょっと新鮮だった。
確かに,9条改正によっても,自衛隊の規模も変えずに,アメリカの世界戦略にも荷担しないというなら,そもそも9条を変える必要はない。軍隊オタクの民主党前原や自民党のタカ派が狙うのは,誇りある軍隊のあり方,機動力のある軍隊のあり方だろうから,必然的に予算規模は拡大するし,有事の危険性を強調すれば誰も反対はできなくなる。
憲法9条は,こういう軍事費拡大の方向性に対しての,大きな堤防のような役割を果たしているということは,もっと注目していいと思います。

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