「
血と骨
」 日本映画。 崔洋一監督。ビートたけし,鈴木京香出演。 梁石日(ヤン・ソギル)原作の
同名小説
の映画化。
梁石日の自伝的小説ということなので,父親を描いたということなんでしょうか。暴力的な父親で,蒲鉾工場を経営し,従業員をこき使い,女をかこって,金貸しもする。とまあ,これでもかと言わんばかりのトンデモオヤジを回想した映画。
暴力的なシーンが多いため,あまり気持ちよく見ることはできませんでした。ストーリーもやや一本調子だし,小説の場合にはバックグラウンドが分かるから理解しやすいかもしれないけれど,映画の場合には少し展開がよく理解できない部分もありました。
とはいえ,こういう人って,この時代には一人ならずいた訳です。やはり時代なんでしょうね。逆に今の時代なら,いろんな法律ですぐに逮捕ってな感じでしょうね。それがいいのか悪いのか,評価は避けますが,そのひずみは弱いものに向かうんですよね。
最終的には,家族の誰にもやさしい言葉をかけてもらえず(まあ,当然といえば当然ですが),驕れる者も久しからずな感じになってしまいます。
個人的には,映画の中の女性たちが不憫で,主人公の凶暴さうんぬんよりも当時と現在の女性の地位の違いにあらためて気付かされたのでした。

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