「
帝国アメリカと日本 武力依存の構造
」 チャルマーズ・ジョンソン(集英社新書,2004)。
ようやく読み終わりました。最後は,沖縄。日本人だったら絶対押さえておきたい沖縄。しかし,本書で教えられることのいかに多いことか。
沖縄タイムスの「基地と沖縄」に目を通すことから始めましょうか。あるいは,
沖縄の米軍基地の現状について,知ることから始めましょうか。いずれにせよ,本書で関心をもって調べるということが,これまた必要です。
最近話題の辺野古への米軍基地の移転問題。ジュゴンが生息する辺野古,あの人魚と間違われたジュゴンだよ。
チャルマーズ・ジョンソンは,ずばりとクジラに対してあれだけ過剰反応するのに,なぜジュゴンは無視なんだ,都合よすぎるよ米国(かなり脚色)と指摘する。
また,太田知事を失脚させるための自民党のやり方もすごい。結局,地方は経済的な旨みを武器にされると,選挙が買われちゃうということがよく分かる(いわゆる中央との太いパイプですね。)。これを愚かだと批判することはできない。現実にも,原発を受け入れた自治体なんかを見るとこれは一種の貧困問題なんだということがよく分かる。
民主主義で大事なのは,こういう予算の使われ方の部分で,誰が勝ったに関わらず利益誘導が行われることを避けなくてはいけないと思う。
そのためには,予算を政党が牛耳るとか,声が大きい議員が持ってくるとかいう事態が生じないように,監視できる枠組みが必要だろうと思う。
我孫子市は,予算編成についてパブコメを利用した優先順位化の方法を
最近試行している。こういう動きを国政でも行い,説明責任がしっかり果たされるということが必要。
しかし,本書で書かれていることは非常に重要なことなのに,日本のマスコミに,こういう鋭い指摘を発見することができないのは,なぜだ。

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