「法の精神(中)」
モンテスキュー著(岩波文庫)。
妻が世界地図を貼りたいというので,部屋にはちょっと大きめの世界地図があります。なので,何かの時に国名が出てきたりすると,地図に走っていって確認したりしています。
世界地図を眺めるようになって,けっこう自分が想像していた位置と違ったりすることがあるので,驚くことが多いですね。
ぼくは実は地理が苦手で,日本地図についても最近ようやく位置関係が把握できるようになってきたぐらいの程度ですが,まあ爺さんになるころまでには嫌でもマスターできるでしょう。
さて,なぜこんなことを書くかといえば,本書の第4部第21編「世界の中でのその変遷において考察された商業との関係における法律について」では,絶対に手元に地図を置いた方が楽しめるということ。
商業といっても,貿易の歴史を書いています(特にローマ)。どうやって新たな航路を発見したのかとか,どういう航路が選ばれたのか,というある意味興味がないとスルーしてしまいそうなところですが,地図を片手に読むと,地中海からアラビア半島,アフリカ,インド,中国へのルートが段々分かってきて地理の勉強に役立てることができます。
結局,その後の植民地の歴史,征服の歴史を見ると,アレキサンダー大王の東征が大きな意味を持っていたことがよく分かります。そして,彼の地(ルート)を日本から見るのとは違って,航路を通して見ると位置関係を繋がりをもって見ることができます。
黒海やカスピ海の周辺国はどこかなんて,なかなかこの機会でもなければ押さえませんよね。
まだ見ぬ土地に行ってみたいという希望(野望)に燃えて航海していた時代に想いを馳せることができます。
ふっと気付くと,あれ?これって,法の精神じゃなかった??って思うこと請け合いです。こういう裾野の広がりがこの時代の書物の魅力でもあります。
いやー,しかし,今後確実にギリシャ・ローマの歴史にはまりそうです。

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