「モンスター」
パティ・ジェンキンス監督,シャーリーズ・セロン, クリスティーナ・リッチ出演(アメリカ映画,2003)。
実在した殺人犯アイリーン・ウォーノスを描いた作品。シャーリーズ・セロンが体重を13キロ以上増やして,おそろしい形相にメイクをして体当たりで演技したことが話題を呼びました。
公式ページを見たら,シャーリーズ・セロン自身も,15歳の時に暴力を振るう父を母が射殺したという経験を有していたため,本作には特別の思い入れがあったとのこと(アメリカ的な話でびっくりですね)。
ストーリーは,一本調子。娼婦をしていた主人公だったけれど,同性愛の女性に恋し二人の生活のために体を売るが,客が暴力的な男で正当防衛的に相手を殺してしまう。ここから,彼女との生活のためにという思いから売春客を殺すという連続殺人が始まる。
正直,共感は難しいですね。何となく話題先行という気がします。いくらなんでも短絡的でしょう,これじゃあ。そんな印象を受けます。
映画化するに際して何が何でも「愛」に結びつけようという気持ちが先行しすぎてしまった気がします。もう少し丁寧に周辺事情を盛り込めば何とかなったのじゃないかなーと思います。なお,ウォーノスは死刑判決を受け,死刑は執行されてしまったそうです。

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