NHKのBSでやっていた,地球街角アングルという20分程度の番組。結構見てみると,旅行に行った気分になって楽しい。
今回は,録画していたのを二つ見た。フランスの
「心のレストラン」という慈善活動と,シンガポールの
少子化対策。
「心のレストラン」は,フランスの有名コメディアンが始めた慈善運動で,貧困層に対するサポート制度。2段階式になっていて,生活保護等の受給世帯に食材を配るという制度とホームレスの方々に炊き出しを行う制度とから成っている。ボランティアに頼っているけれど,物流関係の仕事には職のない人たちを雇用して,雇用創出も図っている。
食材を配る仕組みを作ったのは,恥ずかしい気持ちを感じることなく家で食事が取れるようにするため。ホームレスの人たちに食事を配る時も,出来る限り長く言葉を交わすようにしているなんていう話を聞くと,その心配りがいいと思う。
日本でも慈善活動をする団体はあるけれど,周りの目が温かいとはなかなか言えない状態。そういえば,新宿駅からのホームレスの排除事件がありましたね。あの時は自分も新宿に行きました。何というか,行政の側の心配りの問題だよね。
心のレストランの運動では,少額の寄付金でも非課税にするような法律を作り,これを勝ち取ったという記事をネットで見ました。こういう配慮も必要ですね。
シンガポールの少子化対策は,2003年に教育ハブ構想を打ち出したというもの。シンガポールでも少子化問題が深刻なので,教育を充実させ海外から広く学生を募集し,定着してもらおうという発想。
少子化対策と教育の充実を国益に繋げてしまおうという発想が,貪欲でシンガポールらしいですね。日本も排外的な雰囲気の漂う教育基本法改正やばらまき的な少子化対策といったことよりも,もっと実を考えた方策を検討してもらいたいところ。
シンガポールは,英語国家になったために戦略としてはこういう戦略が取りやすい。驚くのは,スカウトに行くこと。中国にスカウトに行き,中学生くらいに声をかけて優秀な生徒を奨学金付きで引き抜いてくるというのは凄い。
そんなので元が取れるのか,と思いますが,6年間シンガポールの企業で働くのが条件だそう。エリート主義もここまで来ると開いた口がふさがらないという感じ。
しかし,この教育ハブ構想も財界や政界には目が向いても,人格者や文学者などの文化人の養成にどの程度貢献しているのかは不明。自由な雰囲気で新しいことが生まれそうな環境だったら,より魅力も増すのだけれど,そこらあたりはどうなんでしょうね。
とはいえ,アメリカに人材を取られないという戦略的な思考は(アメリカの大学と提携してライブ授業をしたりもする),アジアの経済拠点としての知恵を感じました。

0