「列王記 上」 旧約聖書。
ダビデの老後から話は始まります。体を温めるために若い娘を抱いて寝る,なんていうのは,なぬ!って感じですよね。
王位継承の争いは,アドニヤとソロモンの間で起こりますが,ダビデはソロモンを継承者に選びます。
ダビデ王は,自らの最期の時にソロモンに,あいつは許すなよと遺言しています。なんかこういうあたりが旧約聖書らしい気がしますね。
王位を継いだダビデは,早速反対派の粛清を行います。もちろんアドニヤも暗殺されてしまいます。こうして,自らの基盤を固めます。
そして,ファラオの娘を王妃として,ファラオの婿になります。王座についたソロモンは,神に善悪を判断することができるように,聞き分ける心を与えてくれと頼み,神は知恵に満ちた賢明な心を与えます。
賢明なソロモンとしての逸話としてあげられるのが,有名な,この子は私の子だという争いに対する裁きです。二人の女が一人の子どもを互いに自分の子だと言って決着が付かない。そこで,ソロモンが剣を持ってくるようにと伝え,子どもを裂いて分け与えよと言います。本当の母親は,やめてくれ,この子は生きたまま相手にあげてくださいと叫びます。ほれ,おめーさんが実の母親じゃい(遠山の金さん風),という例の話ですね。
この話が列王記由来の話だとは知りませんでした。
ソロモン王時代のイスラエルは,繁栄を謳歌します。その勢いで,ソロモンは神殿建築に着手します。レバノン杉を切り出させ,純金も至るところに使いと,なかなかケバイ感じの神殿です。建築には7年を要したそうです。
さらに,13年を要して,宮殿も建築します。また,シェバの女王も来訪したりします。史上かつてない程の繁栄を誇ったのですが,盛者必衰の理は,聖書の世界でも変わりません。
ソロモンの場合は,女性関係が問題でした。ファラオの娘と結婚するあたりからも分かるように,ソロモンは外国の女性が好きだったようです。結局,彼は,700人の王妃と300人の側室に囲まれることになります。
また,外国の女性が好きだったことから,外国の文化にも影響されたのでしょう。主の教えよりも,外国の神様の方に目移りしてしまいます。
考え方を変えれば,国際感覚に溢れた王様といえるのかもしれませんが,一神教の主は許してくれません。
かくして,神はイスラエルを,イスラエルとユダに分裂させることを決意し,この後分裂の時代を迎えることになります。しかし,やはり時代の趨勢でしょうか,それぞれの王もまた主への信仰が揺らぎ,外国の神様も大事にしちゃう八方美人の政策を続けたりします。
後半は,それぞれの王の治世について,短めに記述されています。

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