「War Ina Babylon」 Max Romeo & The Upsetters(island records)。ルーツレゲエ。
1976年発表の,ブラックアークスタジオ時代のリー・ペリーがプロデュースした,マックス・ロメオの名盤。The Upsettersは,リー・ペリーのバンド名。
マックス・ロメオは,「Wet Dream」という曲がヒットしたばかりに下ネタミュージシャン扱いされたこともありましたが,その後はコンシャスなアルバムを出しています。
そんな彼の一枚といえば文句なしにこれでしょう。
アイランドレコードとの契約自体は無茶苦茶なもので,ほとんど利益の分配に与っていないとマックス・ロメオは
インタビューで述べていますが,アルバム自体の仕上がりは最高です。
社会的なメッセージをストレートに歌い上げると共に,ロック畑の人の耳にも馴染むようなロックの文脈も押さえています。本作自体はそのメッセージ性故にジャマイカ政府によってラジオでの放送禁止になったそうです。
1 One Step Forward
2 Uptown Babies Don't Cry
3 I Chase The Devil
4 War Ina Babylon
5 Norman
6 Stealing In The Name Of Jah
7 Tan And See
8 Smokey Room
9 Smile Out A Style
アップタウンの子どもたちは,貧困とは無縁だから泣かないと歌う2曲目も印象的ですが,プロディジーが「Out of space」(「Experience」収録)でサンプリングしたことでも有名な3曲目は耳を惹きますね。
タイトル曲の4曲目は言うまでもなく名曲ですし,5曲目の「ノーマンは,ギャンブラー」と始まる掴みもグッと来ますね。
7曲目もいいですし,全体に外れのない,捨て曲なしのアルバムです。
現在ボーナストラック入りのアルバム(78年発表のアルバム「リコンストラクション」と一緒にした2in1ディスク)が発売されていますが,ぼくが持っているのはオリジナルアルバム版。
一瞬,羨ましいと思ったけれど,感じの違う作品をカップリングするのって結構微妙ですよね(「リコンストラクション」にはリー・ペリーの関与なし)。
なお,リー・ペリーのダブアルバム「Super Ape」では,本作収録の「chase the devil」と「war ina babylon」がダブ化されています。

0