菅改造内閣の成立に伴う世論調査。
何も活動していない内閣について,このような調査にどのような意味があるんだろうと思う。期待感の有無?
そもそも微増も何も,何が聞きたいのかさっぱり分からん。
聞くんだったら,新内閣には何を期待するか,でしょう。
無駄な調査以外の何物でもなく,昼のワイドショーのレベルだと即刻事業仕分けすべきだと,したり顔で語っていてもおかしくない内容だと思います。
でも,それだけにとどまりません。
小沢氏が起訴されたら,議員を辞職すべきか?だって。
おいおい。そもそも強制起訴なんだから,起訴されたらっていう仮定表現が成り立たないでしょう。強制起訴と検察官に裁量のある状態での起訴とは全く別物と考えるべきでしょうし,そういうことをもっと説明すべきでしょう。
強制起訴された国会議員の第1号になる訳なので,誰も具体的なイメージの持ちようがないのは明らかでしょう。そんなことを聞いてどうしたいんだと思います。
強制起訴されたら,政治家をやめるという慣習を作れという主張なら,本当に乱暴な話だと思います。
古代ギリシャでは,一時期,陶片追放といって,陶器のかけらに僣主になりそうな者の名前を書いて投票させ,国外追放にする制度があったけれど,うまく機能しませんでした。
検察審査会の構成員はもっと少ない訳で,これによって有権者の意向が全部排除されてしまうのでは,都合の悪い人間の追放が容易にできてしまうことになりかねません。
国民は冷静になるべきだとか,したり顔で紙面で呼びかけたりするメディアのやることではおよそないでしょう。
強制起訴の制度自体,検察官の起訴不起訴の判断自体を信用せず,その有罪無罪自体を裁判所で明らかにしようという制度なのですから,重要なのは法廷でのプロセスになるのは賢明なメディアであれば当然分かることでしょう。
メディア自体が司法制度を否定するような世論誘導をするのはいかがなものか。
ここ数年で,これまで報道各社の培ってきた信頼性といったものが大きく崩れ始めている気がする。ワイドショー化の流れとは一線を画したメディアのあり方がこれまでになく問われているように思う。

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