![ブレイブ ワン 特別版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Kh9UTENvL._SL160_.jpg)
「ブレイブ・ワン」 ニール・ジョーダン監督,ジョディ・フォスター,テレンス・ハワード出演(米,2007)。映画。
借りた映画は見終わって,在庫一掃に取りかかる。しかし,困ったペースだと思う。本がよい例だけれど,影響を受けやすいので1冊読むと5冊くらい買い揃えるはめになったりする。ドラえもんの増える栗まんじゅうのように,蔵書もずんずん増えていく。家族の指摘で,気合いを入れて読んだりすると,さらに増えるのだから何とも言えない。
どこかで,循環して,これまで読んだ本や映画と繋がってくれるといいなとも思うけれど,きっとそういう情報はスルーしてしまい,相変わらず探し続けるんだろう。
もちろん映画の場合はこういうことは少ないんだけれど,本作ではD.H.ロレンスの一文が紹介されたりして,読まなきゃいけないよなーと妙な刺激を受けてしまっています(まずは,買ったものを読め,と自分に忠告)。
さて,この映画だけれど出来は今ひとつ,というか無茶苦茶な映画です(おいおい,そんなんで本を買おうとするなよ)。
ジュディ・フォスター演じる主人公は,公園で暴漢に襲われ,一緒にいた結婚間近の彼氏が殺されてしまう。ラジオのDJ(ディスクジョッキーの方)をし,詩的な表現を交えて視聴者に語りかけていた彼女の生活は一変してしまう。
安全と思われていた街の姿が,不安に満ちた街になってしまう。ここまでは理解できる。
警察に捜査状況を確認しに来た彼女は,おざなりな対応に失望し,護身用の銃を手に入れる。うーん,このあたりから何か雲行きが怪しくなる。
そして,ここからは,いろんなことがあって正当防衛のような形で人を殺し始めることになる。
まあ,普通ありえない設定ですね。事件を機にサイコパスになってしまったというならある意味真っ当な映画ですが,タイトルの付け方からしても,そんな風には思えません。適正手続きなしの執行,いわばアンチヒーローみたいな描き方で賞賛する色合いが濃い訳です。彼女自身は葛藤も有しているようですが,銃が外れて他人に当たるとか,誤認でやっちまったとかいう危険性は全く考慮していない描き方にある種の恐怖を覚えます。
最後までその路線で突っ走って行きましたが,かなり微妙ですね。というか,まあこういう心情っていうのは普遍的にあるんでしょうね(目には目を)。しかし,現実には思うように復讐を遂げるのが実は大変だったりするし,そういう復讐を受けるとなるとするとどんどん事件は凄惨になっていく(復讐されないように,殺すとかいう流れ)訳ですが・・・。
アメリカは銃社会なんだなーということを実感させてくれる一作。

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