今年は靖国の年といえるかもしれない。復古的な流れに対して中国の反日デモがあったのは今年の4月だったし,先日も靖国に対する二つの判決があった。そして,例のごとく,小泉と参拝を信条にする議員たちの集団参拝。
靖国問題について,良書が出たのも今年の特徴。この問題について,再度新しい方向性を議論しようかという時に,小選挙区制マジックのために自民党が大勝したもんだから,そういった建設的な議論が全て吹き飛んでしまったという感じですね。
大体,ほとんどの国民は靖国神社がどこにあるのかも知らず,一回も訪れたことがない。かくいうぼくも訪れる機会がなかった。
訪れた人たちの話を聞いても,あそこは「神社」ではない,という話をよく聞く。
だって,コンクリートの鳥居だし,境内にある施設にゼロ戦を飾っているし,いまだに戦中のように国家の後ろ盾を要求するなんていう神社は,日本の歴史を見ても,あそこしか存在しない。
何て言うか,感覚の違う人には何を言っても通じないという気がします。彼らが大挙して参拝に行きたければ,勝手に行ってくれと言いたいけれど,なぜみんな揃っていくのか,公用車で行くのかとかやはり疑問は尽きない訳で,やっぱり国会議員の立場で宗教活動をしたいんだろうなーと思います。
良識派の人たちは,こういうニュースを見る度に無力感を感じる人も多いと思いますが,気にしても得なことはありません。
どうぞご勝手に。だって,昔からの悲願だからね,彼らにとっては。
良識派の人たちは,こういう不思議な人たちがいる(特に国会議員の中ではかなりの割合に上る。)ということを記憶にとどめておきましょう。 彼らは,宗教の何たるかすら分かっていないのです。というよりも,明らかに靖国神社側からの意向に沿って行動しているだけなのです。
つまり,平和を望むとか祖先をどうとかそういう話とは一切,全く関係のない行動なのです。
こういう行動が,仮にも靖国神社で個人を本当に追悼したいと考えている人たちにとっては,侮辱的行為以外の何物でもないことは,皆さんだったら容易に分かるでしょう。単にメディアを意識しただけの薄っぺらな行動にすぎない訳です。
この問題も比較的根の深い問題ですが,この時代にエセ宗教的な行動を取るということに,ほとほと呆れましたと取りあえず意思表明しておきます。

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