以前に,
安全保障関係と題して,メモしたことがありましたが,またちょっとだけメモしておきましょう。
防衛庁は,防衛省になってからも相変わらず不祥事で揺れています。やはり早すぎたというべきでしょう。
前防衛事務次官守屋氏の問題は,利権を握る官庁を放置するとどうなるかということをよく示しています。以前に,小池大臣の時に人事に口出しをするなみたいな意見が出ていて,こりゃ問題が出てくるだろうなーと思っていましたがそのとおりでしたね。
これは防衛省だけの問題ではなく,いろんな省で不祥事は出てくるのですが,防衛省の場合は,国家機密とかいうことで隠れ蓑を作りやすいという構造的な問題があることをこの際しっかり把握すべきでしょう。
自前の(自国の)産業を維持するという名目から,閉鎖的な体質を作るというのはやはり問題だろうと思います。また,一部の人間だけが防衛を議論するという状況は逆にいえばたやすく買収ないし欺かれやすいということをも意味していて,防衛上の見地からも看過できません。
また,同じく給油量の誤情報の隠蔽問題もあります。シビリアンコントロール上も由々しき問題などと政府でも述べていますが,どのような改革ができるのかについては注視する必要があります。
文民統制の必要性を唱えると,日本では十分に及んでいるという反論をされることが多いのですが,実態はこういうもんです。
何かあると,国家機密とか組織防衛のためには必要だとかいうことでごまかせてしまう性質があるんだという前提で,抜本的な改革(組織外の機関が十分な監査ができるような体制作り)が必要だろうと思います。
在日米軍経費負担問題も報道されていました。いわゆる思いやり予算ですね。今回の給油の問題だって,言ってみればヤミ思いやり予算といった感じな訳です。
本年度予算で2173億円を費やしている訳で財政上からも削減が求められるところ,公務員の場合でも既に廃止されている各種手当て関係を日本人雇用者に関する限りで思いやり予算の対象から廃止して削減しようという話なのですが,これですら米軍から反対されている状況です。
核の傘のもと,抜けられない関係になってしまった米軍との関係という視点での,発展的解消の可能性こそ議論されるべきでしょう。いずれにせよ,交渉過程の情報開示が求められるでしょう。
アメリカ政府が1950年代に京大教授陣に左傾化防止の工作をしていたという記事もショッキングでした。まあ,アメリカの防共政策の他国での現れを見れば予想されていたことではあるのですが,民主主義のあり方を考えさせられます。
今後,アメリカのネオコン的部分が東アジアでの緊張関係創出のために同様の方法を取らないとは限りません(いや,もう取っているのか?)。果たしてそういう時にしっかりと見極めができるのか。冷静な議論をする習慣をつけることに勝るものはないでしょうね。
ケネス・オズグッド教授のトータル・コールド・ウォーという本で紹介されたようなので,今度読んでみたいと思います。

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