同地区アウエイ3連戦の最終戦@DALも23−7で勝ち、プレイオフ進出を決めました。シーズン前はこの3連戦に@IND,CARを含めた厳しい5試合を1勝4敗と予想していたのですが結果は4勝1敗で乗り切りました。
最初のシリーズの5プレイ目には、以前から見せて欲しかった速いタイミングでShawn Andrewsの後を付いていくだけのランが出ました。340ポンドのプロボウラーAndrewsのパワーで単純に押すこのプレイでロングゲインが1回でも出れば、その後ディフェンスはこのプレイを意識し続ける事になります、今後も1試合に1回は見せて欲しいプレイです。
OLが完全にラインの戦いを制しました、右サイドへのランが全く止まらない為かTraのステップワークで完全に封じ込められた為かDeMarcus Wareを逆サイドに入れさせる事にも成功しています。こんなに良いTraを見るのは2002シーズン以来初めてかもしれません。
C Jamaal Jacksonの成長がランオフェンス躍進の原動力です、スナップに安定感が出た結果スナップ後の動きが開幕時とは比べ物にならないくらいに素早くなりました。スナップミスをしない事を重要視していたのが、スナップ後の1歩目に集中出来るようになっている感じです、元々OTで330ポンドと言う規格外のCですから互角の立ち合いになればそう簡単には押されない事を見せてくれました。
Andrewsも成長しています、NTをダブルチームで崩して、すぐさま本来のマッチアップになるILBを相手にするプレイが見られるようになりました。これはOGとしては当たり前のプレイなのですが、判断力が欠けているAndrewsがこういうプレイを見せるようになるとは2年前は想像できませんでした。
Todd Herremansも対面のChris Canty(個人的に大好きな選手なのです)を完封しました。6−7で300ポンドの巨大なDT/DEに対してパスラッシュを許さずランでも押されずと最近のHerremansはパワーが付いてきました。フットワークの軽さは去年から見せていましたし、パワーで負けないようになれば素晴らしいLGになってくれそうです。
ラインが勝てればRBが誰であろうと走れる、Andy Reidの困った思い込みが開花した(してしまった)試合でした。客観的に見ればラインは素晴らしかったですが、Brian Westbrookのクイックネスにかなり助けられていたのですけどね。
Jeff Garciaも良い気合が入っていました、ベテランらしい落ち着きを1試合持ち続けました。ただ、私はGarciaを疑問視します、これほどまでに良いならばなぜここ3年間全く芽が出なかったのかと言う点を考えてしまいます。IND戦はショートしか出せずに完敗、次のCAR戦はロングにぽんぽん放り込んで大活躍。その後も1試合ごとにプレイスタイルを変える事で相手を混乱させています、試合毎に新しい事をしてきた結果ネタが尽きた時にどうなってしまうのかが不安です。この試合でもMcNabbのようなスクランブル連発でチームを救いました、言い換えれば投げれない場面が多かったという事です。実質長いのは自陣2ヤードからのプレイアクションと言うギャンブルプレイだけ、そのパスも山なりのハーフライナーでした。ミドルですら置きに行くようなパスしか投げれないGarciaは徹底的に分析されるプレイオフでこれまでのような仕事が出来るのかが問題になるでしょう。
最初のゴールライン前を止めた3プレイは本当に素晴らしいプレイでした、1ヤードを止める大型選手が居ないDLで2回インサイドをきっちり止めたのは最近記憶に無いです、チームが集中している事の現れでしょう。
Darren HowardがDE・DTどこからセットしても効果的にパスラッシュを掛け続けました、無駄な反則を避ける為にあえてサックよりもプレッシャーを掛けるだけの動きを見せているのはTrent Coleも見習う必要があります、ベテランらしい智恵を見せました。
Brian DawkinsのINTも良かったです、ダブルチームで完全にINTを狙って良い場面で難しいボールをしっかりキャッチしました、あれを取れるSはそう居ないでしょう。Lito SheppardのINTは後ろでカバーしすぎてたらそこにボールが着ただけのSheppardらしいINTに見えました。どちらもパスラッシュが掛かった事がコントロールミスを生んでいます。
先行してランを使えなくする事が出来れば勝てるチームに戻ってきているのが最近好調の原因でしょう。ランで試合を組み立てられるとWAS戦のように大苦戦する事になります、そういう意味ではディフェンスが劇的に変化したわけでは有りません、良くも悪くも良い時のチームに戻りつつあるという事です。
プレイオフ進出も決まり、次のATL戦に勝てば地区優勝です。序盤の不可解な負け、中盤のランディフェンス崩壊そしてMcNabb離脱、今年は本当に苦難を乗り越えてやっとここまで来たと言う感じです。レギュラーシーズン楽をし過ぎたチームよりも厳しいスケジュールを乗り越えたチームがプレイオフでは強いと考えています、ATL戦も勝って波に乗ったままプレイオフに挑んでもらいましょう。