Howard MuddをOLに招聘し、パワー重視から機動力重視にシステムを変更しました。ドラフト1巡でDanny Watkinsを指名してOGを補強、FAでも中堅スターターEvan Mathisを入れました。しかし、Winston Justiceの膝の手術から復帰が遅れ、Watkinsがプレシーズンで使い物にならない事が判明した為にKyle DeVanを補強しTodd HerremansをRTにコンバートする開幕前日まで突貫工事でシーズンを迎える事になりました。
開幕時は左からJason Peters、Evan Mathis、Jason Kelce、Kyle DeVan、Todd Herremansの並びになり。途中でWatkinsがDeVanを追い越してRGのスターターに昇格してシーズンを終えました。サック数は決して多くないですし、Michael Vickのスクランブル未遂のサック扱いを考えれば、フルブリッツ食らってVick大慌ての場面はかなり少なくなりました。
ランではパワーに不満は有りますが、LeSean McCoyのラン記録を見ればそれなりにやれて居ますし、トラップやゾーンのような機動力を生かしたブロックシステムへの移行も今後さらに進むでしょう。
Jason Peters パスプロテクトは鉄壁と行かなくても内は抜かさず外から大回りを強いる、LTとしての仕事は十分にこなしています。DEをLGに任せてのダウンフィールドブロックではMcCoyのロングゲインを何度も引き出しました。オールプロに恥じない素晴らしいシーズンを過ごしました。
Evan Mathis CINなどでスターターとバックアップを行き来していた30歳の中堅OGなのですが、Muddシステムにマッチし素晴らしいシーズンとなりました。DEとマッチアップするスピードや逆側まで走るプルアウトのようなプレイでキーマンとなりました。ただ、対面との1対1でのパワー勝負では劣る部分も見られます。
1年契約だったのでFAになりますが、Muddシステムでやっと花開いた事を考えれば再契約をMathis側も望んでいる。と、良いのですけれどね。
Jason Kelce 6巡指名から開幕スターターを大ベテランJamaal Jacksonから奪い取り、そのままCとして1シーズン乗り切りました。1巡指名のPouncy弟には劣るかもしれませんが、ルーキーファーストチームに選ばれてもおかしくないシーズンを過ごしています。
課題はアジャストコールの判断になります、Vickと息が合わずにディレイを取られたりディレイ回避のタイムアウトを消費する場面が見られました。カレッジではLGが長かったですし、NFLレベルのブリッツを見極めるには少し時間が掛かるでしょう。
Danny Watkins 1巡指名でしたが、パワー無しスピード無し腕が短くコンタクトでの上手さも無し、とプレシーズンを見た感じでは大外れの可能性を危惧しました。ただ、シーズン後半は腕を長く使うよりも相手に懐に入り込んで体を預けるブロックの形が見えましたし、一歩目の速さで優位を取るスタイルを磨く事が今後に繋がるでしょう。
Todd Herremans 長年LGとしてプレイしてきましたが、カレッジ以来久々にOTとして1シーズンプレイしました。プロ入り後何度か怪我の穴埋めでOTでプレイしていましたが、ここまで上手くパスラッシャーを封じ込めるとは思いませんでした。左利きVickの背後を守るRTとしてはパワーとフットワーク・ランブロックとパスプロテクトのバランスと言う点で適任なのかもしれません。多分、右利きのQBではLTでもRTでは中途半端に見えるでしょう。
King Dunlapはルーキー時の契約が切れます。6-8で腕がとてつもなく長い、素材としては一流ですがそれ以外の筋力と言うかバランスに欠けるように見えます。使ってあげればそれなりの結果は残すのですけれど、まだ育成途上の選手です。
再契約するかどうか?問題はこれ以上伸びるのか?そして、他チームからどれだけの評価をされているのかが分かりにくいです。素材として高く評価されているのかチーム毎に分かれるタイプでしょう。
Winston Justice 膝の内視鏡手術から回復出来ずにシーズンが終わった事、Herremansが昨年のJusticeより格段に良いプレイをした事、そして4年20ミリオンの高給取りである事からカットされる危険が高いとの噂も出ています。Muddシステムに合わないような気がしますし、Mathis再契約に成功した場合にはカットされるのかもしれません。
Jamaal Jackson 腕の怪我からは回復しているのですが、新旧交代とシステム変更でルーキーにポジションを奪われました。それほど高給取りではないのですが、カットの危険が有りそうです。フットワークよりもパワータイプですしMuddシステムには適合しないのかもしれません。
Julian Vandervelde ルーキーとしてほとんどアクティブにもならないままシーズンを過ごしました。プレシーズンを見た感じだとサイズもパワーも無いですしバックアップ止まりでしょう。
どういう形で補強するのか、Mathisの再契約で十分でしょう。Muddシステムの熟練でさらに良くなる事が期待出来ます。ルーキー2人がパワーアップするでしょうし、PetersとHerremansは問題なし、LGはMathisがシステムにマッチしてると言う訳です。
Mathisが流出した場合にはJustice復帰からHerrmansをLGに戻す形、FAで獲得する形、ドラフト上位を使う場合が考えられます。Muddシステムに合うOLがFA市場にいるのかどうか?これは名前だけじゃ良く分からないのですよ・・・フットワークが良い選手ならそれで良いのか?それだけじゃない気がするんですよね。