昨日53人枠を考えていて、今年はHC変更でシステムもアシスタントコーチもほぼ総入れ替え。本当にポジション内の競争が激しくなっています。
ロスター枠3を選ぶのは簡単なのに、誰がスターターになるのかを当てるのは困難なのがQBです。オプションでQBに持たせる事を考えればQBの枠2では無く3、もしかすると4で開幕する可能性も有ると思います。
ロスター枠3 スターターNick Foles
バックアップ Michael Vick Matt Barkley
PS(入れるなら)Dennis Dixon
カット濃厚 G.J Kinne
Chip KellyがOregon大とまったく同じ形でQBにボールを持たせるのか、NFL流にアレンジしてくるのか、これがまだはっきりしません。DixonはOregon時代と同じ練習スタイル、とコメントしていますがシステムまで同じとは言っていません。
リードオプションを使うのは間違い無さそうですが、ラン75%と言われるOregon時代からNFLの平均値ラン45%程度にどれだけ近付けるのか?そのランのうちどれだけQBに持たせるのか?ここが分かりません。
一番気になるのが、オーディブルでQBに変更権が有るのか、HCからのプレイコールで決まっているのか、この点です。リードオプションをオーディブル無しでやるのは無理だと思います。ですから、QBに最終決定権が有ると想定していますが、それだとどんなに足が速くてもVickには出来ませんね。
ただ、QBのラン能力が低ければQBにスパイを付けなくて良くなってしまいます。その点で40ヤード5.14のFolesに4.90のBarkleyでは不満が残ります。
足は速いけれど、ドラフトから10年経っても頭脳面の成長が見られないVick。ポケットパサーでボールキープして効果的に走るだけのスピードを持たないFolesにBarkley。40ヤード4.7くらいでそこそこ頭良くて投げれるQBが居ればいいのですけれど、両極端なタイプのQBしか居ません。そこで、Vickを入れるラン重視のオフェンスとFolesやBarkleyを入れるパス重視のオフェンスを1試合中に入れ替えるような事をするのではないか?と個人的には考えています。
そういう形のツープラトンシステムの時に走るQBの2番手としてDixonまで残してQB4人制も有るかもしれない。これが53人枠にQBを4人取るかも(多分Dixonが年数制限でPSに入れられない為)と言う根拠です。BarkleyをPSに落とした時、よそのチームが53人枠に入れてまで掻っ攫う可能性は高くは無い(素材能力よりもシステム習得面で)とは思いますが、シーズン終盤に負け越し確定チームが手を出すような事を考えると、持って行かれても良い程度の能力でないならPSには置けないでしょう。
Nick Foles 2012年ドラフト3巡指名、2年目。契約残り3年
8試合出場、7試合先発 265回中161成功 60.8% 6TD5INT QBレート79.1
Vickの逆噴射の後で出てきたから期待の新星として出てきましたけれど、結局Vick壊れたDAL戦を含めれば7試合で1勝6敗の戦績です。ミスの多さはルーキーを考えれば改善されるでしょうし、DeSean JacksonやLeSean McCoyの欠場も考慮してあげなければなりませんけれど、勝てるQBと言う戦績ではないです。
正直、FolesはKevin KolbやA.J Feeleyよりも上なのか分かりません。エースとして育てるだけの器なのか?ミスは減るのか?疑問点がたくさんあります。ですが、育ててみたいと思わせるプレイを見せてくれたのも事実です。
足は速くなくてもカレッジ時代スクランブルにも出ますし、汎用性を考えれば現段階では2013年のスターターQBはFolesにするべきだと考えます。Chipが提案する相手に何をするのか読ませない。と言う点でVickよりはるかに上だと思います。
Michael Vick 2001年ATLドラフト1巡指名、11年目。契約最終年
10試合出場 10試合先発 351回中204成功 58.1% 12TD10INT QBレート78.1
シーズン序盤は第4Qでの逆転劇を演出してメンタル面の成長を感じたのですけれど、結局独り相撲のファンブルマシーンとなってしまいました。オーディブルが出来ない為にゴールライン前やサードダウンなど重要な場面での仕掛けにそのままはめられるような欠陥は改善されません。
自慢のスピードもヨーイドンからDEに追いつかれたり、往年の爆発力はもう有りません、走り出してからの加速が衰えた気がします。走りながらターゲットを探すような頭脳的な負担を無くして、ただ走るだけならMcCoyよりも速いのかもしれませんが、QBとしてボールを持った時のスピードはもっと速いQBがもうたくさん居ます。
オプションQBとしてChipのシステムで使われて開花する可能性は十分に有ると思います。が、ChipがNFLでカレッジと同じ事はしないはずです(上記しましたがラン75%は無いでしょう)そして、リードオプションを壊す為にRBにボールを渡す前のQBを壊しに来るようなパスラッシュ対策がVickには出来ないでしょう。局地的にサブパッケージで起用するのが(Donovan McNabbと併用されたワイルドキャット要員程度)Vickの正しい使い方でしょう。
Matt Barkley 2013年ドラフト4巡指名、ルーキー。契約残り4年
USC時代4年間スターターですし、高校時代から全米No1評価を受けてきたエリートです。去年アーリーエントリーしていれば1巡Top5くらいで指名されたと言われています。
そういう意味ではスターター争いに敗れてArizona大に転校したFolesよりもQBとしての経験は深いですし、ルーキーでスターターを奪う可能性がゼロではないと思います。現在の所サードチームのようですが、デプスチャートを作らない方針のChipですし良ければファーストチーム抜擢も有るでしょう。
パスの落とし所を知っているQBと言うのが第一印象。ポケットの前に出ながらパスを投げるステップが無いのが大きなマイナスです。そういう意味では少しNFLに対応するのに時間が掛かるかもしれません。
Dennis Dixon 2008年PIT5巡指名、5年目。契約残り2年
BALのPS
Chipの教え子で40ヤード4.6程度の脚力を持っていると見られています(ドラフト時怪我で測定無し、その後もACLなど怪我多数)PIT時代は基本バックアップでしたし、BALとはPSで拾われる状態だった事を考えるとNFLレベルでQBが出来る選手ではないのでしょう。
もちろん、Chipのシステム経験が有る事と、PIT時代のチャンスは不振ではなく怪我で失ったことを考えれば能力が無いと決めてはいけないのかもしれません。ただ、現状サードチームでもほとんど練習させてもらえない事を考えれば、保険としての契約で序列上位3人に怪我などが無ければロスターに残るのは難しいでしょう。
残るとすればVickを使うシステムのバックアップ。走れるQBを必要とする場合にはチームに残るかもしれません。
G.J Kinne 2012年ルーキーFA、1年目。契約残り2年
NYJでカットされ、アリーナフットボールで過ごす。
40ヤード4.85がドラフト時のデータです。Barkley指名で53人枠に残る可能性はほとんど無くなりました。練習要員としての契約だと思うのですが、先週月曜日の練習ではサードチームで2スナップだけだったようです。
ドラフトでBarkleyを指名するまではVick優勢で走るQBを使うのだろうと予想していました。しかし、足が有るとは言えないBarkleyの指名からOTAでのFolesとVickをほぼ同等に使っている事でスターター争いとシステムとしてのランパス比率が不透明になってきました。
個人的にはVickはワンポイントでスターターにはFolesを使って欲しいです。Chipのインタビューでも今年はまだ十分な選手が揃っていないと言う内容の発言をしていますし、カレッジ知識を活かしてドラフト中心にチームを作る第一段階の1年にするとすればFolesで行ってだめならBarkley,それでもダメなら来年また新しいQBを使う。これで良いと思うのです。