4巡98位 Matt Barkley
USC出身 身長6-2 1/2 227ポンド
高校時代から全米No1QBとして評価され、当時Oregon大OCだったChip Kellyがリクルートしましたが断られたそうです。USCに進学後、レッドシャツ無しで1年生から4年間スターターを守り続けました。出場した全ての試合でスターターを勤めています。去年の1巡1位Andrew Luckが居た為でしょうかPac10-Pac12では2011年にセカンドチームに選ばれただけです。
1年生 12試合出場 2745ヤード 成功率59.9% 15TD 14INT
2年生 12試合出場 2791ヤード 成功率62.6% 26TD 12INT
3年生 12試合出場 3528ヤード 成功率69.1% 39TD 7INT
4年生 11試合出場 3273ヤード 成功率63.6% 36TD 15INT
全てスターターでの出場です
右肩の怪我で2009、12年に1試合欠場、2010年の右足首と右手首の怪我、手首はオフシーズンに手術をしています。
名門USC歴代3位のパスヤードを記録し、去年エントリーしていればTOP5で指名濃厚だったのですが、1年経った結果4巡指名にまで評価を落としました。
プロスタイルのオフェンスをするUSCで4年間スターター、NFLへの対応は早く、1年目からプレイ可能な即戦力と評価されています。
長所 パスの正確性、LBの頭を越してパスを落とす事が出来る、ポケットの中の機敏さ、カバーを読む頭脳、QBに必要なリーダーシップを持っている。
短所 肩が弱い、ディープのコントロールは良くない、スクランブルに出る足が無い、毎年怪我をする耐久性の問題。
WCO向きのQBとしてはカレッジ屈指の実績を持ちます、ポケットの中でレシーバーを探す視野の広さ、切り替えのタイミングなどは即戦力としての評価をされています。
去年の試合を2試合、一昨年の試合を2試合見たのですが、OLの弱体化でポケットが壊れる子とが増えた去年は逃げれず投げ捨てる事すら出来ずにサックされるようなプレイが何度も見られます。足の無さと言うか今NFLのQBに必須の左右から来るパスラッシュを前に出ながら逃げる技術を持っていないとすると問題です(コーチが危ないから出るな、と指示しているのかもしれません)
山なりのパスをDL越しにヒットする、落とし所を探しコントロールして投げる技術は現段階でNFLで通用するでしょう。パスのスピードは遅いですが、大げさなステップ無しで速いパスを投げる事も出来ます(コントロールはかなり甘くなりますが)
スカウティングコンバインは肩の怪我で実技はしていません。腕の長さ30インチ5/8 手のひら10インチ1/8 手はかなり大きいです。
プロデイ記録 40ヤード4.90、ショートシャトル4.56を記録しています。
Andy Reid時代にBarkleyが居たら上手く使えただろうなあ、と動画を見ながらしみじみ思いました。Matt Kalilに背中を任せてずっとレシーバーを見続けて15ヤードまでのショートエリアに良いパスを落とす。完成したKevin Kolbのようにも見えます(カレッジレベルですけど)Reidがトレードアップ後にKCがBarkley取ると思ったのでは?と質問されて、最初からそのつもりは無かった、トレードしなくても取れたんじゃないか。と言う話があったようです。でも、JACとKCがQB取らなくても、他所が飛んで割り込む可能性は有ったのですから、7巡1個で済むなら確実に取りに行って正解でしょう。
Nick Folesと鈍足、弱肩と言う点で似てます。コントロールはBarkleyが上でしょうけれど、NFLレベルのパスラッシュに対処できるかは未知数です。去年Folesの試合を見た時よりずっと洗練されていますが、Chip Kellyのシステムに対処できるかと言う点ではFolesの方が合っている気がします。と言うのは、Folesはスクランブルに出れたのですけれど、Barkleyはスクランブルに出る経験と判断とパスラッシュへの対処で相当苦労すると考えます。
カレッジ時代格下でも1年経験を積んだFolesと1巡候補のBarkleyの争い、個人的には互角に近い状況だと思います。パス能力ではBarkley、ランやフットワークはFolesが上でしょう。どちらもPac12でChipと対戦してきたQBです、それを考えるとChipがBarkley取ったのはFolesよりBarkleyが上の評価と言う事でしょうか。
Michael Vickとは比べる方法がないですが、前政権から与えられたVickとFolesにDennis DixonとBarkleyを加えた。走れなければならない、と言う前提ではない。Chipの考え方が柔軟である事は分かりました。
Barkleyにも開幕戦スターターのチャンスは有ると思います。ランプレイに参加する為にどう変えていくのか、キャンプまでの課題になるでしょう。