きょうは
悲しいニュースが流れた。往年の
コメディアンであり
俳優の
谷啓氏が亡くなられた。
享年78歳。階段でつまずき、頭部を強打しての
脳挫傷とのことであまりにも急であった。新聞各紙で報道されているが、友人、知人などのショックはかなり大きいようだ。
丸顔にあの
髪形といい、ずっと
風貌が変わらず、
78歳になっていたことがウソのようである。
最近はテレビで見かけなくなったが、
体調が悪かったのか自宅で過ごされる時間が多かったのだろう。レギュラー出演していた映画
「釣りバカ日誌」での
佐々木課長役はハマり役だった。シリーズの最終作
「釣りバカ日誌20 ファイナル」(2009年12月公開)が
遺作となった。
新聞(スポニチ)によれば、
ジャズにあこがれ、高校時代から
トロンボーンを始め、1956年
ハナ肇率いる
クレージーキャッツに加入した。クレージーの中でも、よくしゃべる陽性のキャラクターで売った
植木等に対し、口数は少ないながら急所で笑いを取る役どころで
“クレージーの第三の男”として存在感を発揮していたと書いてある。
トロンボーン奏者としては国内での
第一人者であった。
筆者は小学校に入る前
「シャボン玉ホリデー」を見て育った世代。
「ガチョ〜ン」のギャグが何とも小気味よく今でも脳裏に焼き付いている。その
ギャグは長らく
流行語になった。
谷啓は
マージャンが好きで、
「ガチョ〜ン」と言いながら牌を積もっていたらしく、それがギャグに使われるようになったと聞いている。他にも
「ビローン」「あんた誰」「谷だぁ!」などのギャグがあった。アメリカの
コメディー映画を好み、
米喜劇俳優「ダニー・ケイ」をもじって
芸名を決めたことは有名である。筆者はあの
温厚そうな丸顔がとても好きであった。多くのファンに愛されてきたことだけは間違いない。
植木等が亡くなったときにも話題にしたが、筆者は
計算されたギャグ(アドリブではない綿密に練られたストーリー展開)が好きである。つまり、こうやれば
ウケるという最後に
オチを組み込んだギャグを展開するわけだ。
アドリブがつまらないわけではないが、
計算されたギャグの比ではない。
クレージーキャッツ、
ドリフターズを見て育ってきた
世代としては、とりわけ
計算されたギャグに思い入れが強いのは当然である。
クレージーキャッツも、またメンバーが鬼籍に入り、残っているのは
犬塚弘、
桜井センリの2人になってしまった。後輩が先に逝ってしまい、長年活動を共にしてきた2人は深い悲しみに暮れていることだろう。谷啓氏のご冥福を心からお祈り申し上げたい。
●関連記事
エンピロのネタ箱「植木等死す」2007.3.27付け
●関連サイト
「谷啓‐Wikipedia」

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