先日
下郷町と
南会津町に行く機会があった。そこで見かけたのが、田んぼに仕掛けられた
イノシシ除けの
電気柵。イノシシの被害に見舞われた
住民による
被害防止対策である。以前からイノシシの被害が多発していた県内の
中通り地方においては、早くから設置していて、決して珍しいものではないが、ここ2、3年の間に
会津地方でも
普及してきた。
電気柵は地域住民が揃って仕掛けなければ意味がない。限られた圃場に仕掛けたのでは、他の田んぼが被害を受けるだけだからである。
電気柵はあくまでイノシシに“危険“を教え込むようにするものであって、イノシシやクマを
山へと追いやる手段にすぎない。それでも被害から圃場を守るために、
自治体と
住民が一丸となって対策を講じている姿がよく伝わる。
ある圃場の畦畔に、
棒に
肥料袋を被せたものを立てているのが目に入った。どのような効果があるのか確認しなかったが、
案山子(かかし)の役割を果たしているのかもしれない。
以前にも書いたことがあったが、
クマや
イノシシ、
サルによる獣害は農家にとって
死活問題である。
「タバコは百害(ひゃくがい)あって一利なし」と言われるが、「
田んぼは
獣害(じゅうがい)あって一利なし」と言えよう。タバコの
百害に比べれば、まだ
十分の一の
“ジュウ害”だが、農家にしてみれば、苦労して育ててきた農産物を荒らされたのでは堪ったものではない。

田んぼに設置された電気柵。

右側の白い部分は電源。雨に当たらないように袋を被せてある。

イノシシに荒らされた水田。イニシシが荒したところは、コメにまで臭いが付くと言われる。

荒らしたのがイノシシなのかシカなのか良くわからない。

畦畔に立てた動物除け。案山子の役目があるのか。

農家は被害を最小限に留めようと努力している。

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