先月初めて
会津若松市にある
「伊東正義文庫」を訪問する機会があった。「伊東文庫」には故
伊東正義氏の
蔵書や
直筆の手紙や
原稿などが展示されている。この文庫は、
NPO法人会津先人顕彰会が運営をしているものだが、
伊東正義代議士の元秘書で現在福島県議会議員の
平出孝朗氏が
理事長を務めている。
伊東正義と聞いて思い出せない方もいらっしゃるかと思うが、
「総理のイスを蹴った男」と言えば、思い出した方もおられることだろう。しかも、
「本の表紙だけ変えても、中身が変わらなければダメだ」の
金言を残した人と言えば、さらに記憶が蘇るはずである。いつになっても、あれほどまで
愚直で
気骨のある
政治家がいただろうかと思ってしまう。
清廉潔白で誠実な姿勢に、政党の垣根を越えて伊東先生を尊敬する政治家や国民は実に多い。
館内には
開館を記念して作られた
「手ぬぐい」が展示されてあった。
「本の表紙だけ変えても、中身が変わらなければダメだ!」「道徳に古いも新しいもない。ダメなことはいつの時代でもダメなんだ」「政治家は何になるかではない。何を為(な)すかだ」のことばが所狭しと染め抜かれている。筆者もひとつ欲しかったところである。伊東先生と言えば、大臣になっても
「腰手ぬぐい」を下げていたという。
秘書にやめるようほだされたという
エピソードがあるらしい。
「最後の会津人」などとも呼ばれるが、
「最後の政治家」と呼ぶにふさわしい。
民主党に
政権交代しても
「政治と金」の問題が付きまとうばかり。
伊東先生も堪忍袋の緒が切れて、天から
「本の中身を変える気があるのか!」と怒鳴っているかも知れない。
伊東先生の
戒名は
「正義一徹居士」である。まさに
名は体を表すいや
誇示すると言っていいだろう。過去にも、伊東先生については
ブログで何回か話題に取り上げてきた。不思議なもので、
伊東正義の
人と成りについては何回記事にしても言い足りることはない。
きょう
5月20日は
伊東正義の命日(1994年没)である。
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エンピロのネタ箱「伊東正義」2008.5.20付け

玄関口に控えめな「伊東正義文庫」の看板が下がっている。この日は休館であったが、特別に入ることができた。

館内にある伊東正義先生の銅像

中国との国交にも尽力され、中国要人から贈られた掛け軸もある。

読書に費やした時間も相当のはず。蔵書が所狭しと並ぶ。

伊東先生の金言・名言が染め抜かれた「手ぬぐい」。館内で販売されているらしい。

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